ヒステリックな女性の病気・怒る・行動・思考

心の病気

ヒステリックな女性の生涯は、その幼い頃から、自分自身を護る戦いの連続となります。彼女の日々は辛い試練に満ち、生きるとは自身を守ること、その精神的な防御壁を維持することが全てとなっています。そのため、彼女の人生はしばしば感情や欲求を犠牲にしてきたという現実に縛られています。

親との関係においても、自分の内なる感情や欲求を犠牲にしていることが多いです。これは自分自身を守るため、関係を維持するための必然的な選択だったと言えます。しかし、時間が経つにつれて彼女は様々なことに気づくようになりました。自分自身を犠牲にするという選択は、最終的には自分自身の損失を増大させるだけであると。

彼女は物事を損得勘定で考えるようになっていきます。これは彼女が自分自身の欲求や感情を保護し、自分自身を満たすための新たな戦略です。自分自身が満たされていないと感じると、彼女はその不満をぶつける対象を見つけます。それが親であったり、友人であったり、恋人であったりするのです。これは彼女が自己保護のために選んだ戦略であり、自分自身を守るための防御反応なのです。

不確実性の世界で生きるための自己中心性

ヒステリックな女性は、幼い頃から心の奥底にトラウマを抱え続けていることが多いです。周囲の世界は彼女にとって絶えず複雑で、不確実性に満ちた舞台であり、その不確実性に対する耐性は乏しく、心は揺れ動きます。この世界という複雑な迷路の中で、彼女は一つの解決策を見つけました。それは、世界を単純化し、自己中心的な視点を持つことで、自身を守り、自身を理解する道筋を見つけることでした。

彼女は、自己保護の策として、自分を他者からひどく傷つけられた犠牲者と見なす傾向があります。これは、自分自身を保護するための戦略であり、自身の存在を確認するための手段でもあるのです。この視点から、彼女にとって世界は敵だらけに映ります。それは、客観的な情報がはっきりしていなくても、そう見えることになります。

彼女の心の中で、現実は彼女の感情的な体験と深く結びついており、その感情的な体験が現実を染め上げてしまいます。事実が不確かであろうとも、彼女の心に描かれる世界は明確で、その中で彼女は自分自身を見つけ、自分自身を理解します。それは彼女が自己防衛のために選んだ、彼女自身の世界観なのです。

ヒステリックな女性のトラウマ

ヒステリックな女性の身体には、消え去ることのないトラウマの烙印が刻まれています。そのトラウマの記憶やショックに曝された全身は、彼女の中の感覚を揺さぶり、脳が常に脅威を感じてしまう状態を引き起こします。その結果、彼女の心と身体は危険や生命の危機に敏感に反応し、その状態に固定されやすくなっています。平穏な瞬間でさえも、彼女の脳は危険を探し、その存在を確認しようとします。

彼女は脅威に対する不安を強く感じ、その結果、すぐに恐怖に捉われてしまいます。その恐怖は彼女の心を支配し、彼女の行動を左右します。彼女は逃げ道のない状況を特に恐れ、そのような状況に陥ると彼女の不安は増幅します。彼女に安心感を与えない相手は、その恐怖と不安を増幅する存在となり、彼女の中で悪の存在となってしまいます。

この永続的な不安状態は、他者の批判や拒絶に遭った時、彼女の心を極端に揺さぶります。その結果、彼女は怒りに燃えるか、深い憂鬱に沈むかのいずれかとなります。怒りに燃えた場合は、相手を許せず、相手に対しては最後まで責任を取るように求めます。その要求は彼女自身の恐怖と不安、そして自分自身を守るための絶えざる闘争から来るものです。

ヒステリックな怒り・自己愛憤怒

ヒステリックな女性は、他人からの侵襲や批判、拒絶に対する恐怖によって大きく揺らいでしまいます。その恐怖は、多くの人が傷つくことのないような事柄でも彼女を深く傷つけるほど強烈です。その痛みは魂が抜き取られるかのように感じられたり、怒りに震えるほどのトラウマとして体験されます。その結果、彼女の内部では爆発的な反動が生まれ、それが怒りとして相手に向けられます。

これらの反応から、周囲の人は、彼女をトラブルメイカーと見なすことにつながることがあります。しかし、彼女自身は自分の感情を否認し、自分が酷い目に遭わされたと感じることで悔しさを抱きます。その悔しさは、周囲の人との摩擦を生み、彼女の心をさらに揺さぶり、トラウマの烙印をさらに深く刻み込むのです。これが彼女の心の中で繰り返されるサイクルであり、彼女自身が自分を保護しようとする反射的な戦略なのです。

過覚醒からの解離・麻痺症状

ヒステリックな女性は、危険を察知すると、過覚醒の状態になり、誇大な妄想に陥らせます。その感覚は彼女を戦闘または逃走の準備へと駆り立て、彼女の感情はその結果として溢れ出ます。しかしそれが人間関係のトラブルを引き起こし、他人を責めることもありますが、同時に彼女自身が自己非難の渦に巻き込まれます。

感情的なトラブルの後は、平穏な日常生活を送ろうと、彼女はさまざまな出来事に対して反応しないようにし、感情的にならないように努めます。しかし、その結果、彼女は自分自身が感情や意思を持たない抜け殻のように感じるようになることがあります。

彼女が解離症状に苦しむ場合には、魂が抜けたような感覚、身体がバラバラになったような感覚、麻痺症状が酷く、血液も神経も体を循環していないかのように感じます。彼女は息苦しさを感じ、自分が自分でないと感じます。自分が人生の主体的な存在ではなく、ただ舞台から演劇を見ている観客のように感じることがあります。

反動形成や解離的な防衛

ヒステリックな女性は、大事な人との関係で嫌なことが繰り返し起きているのに愛情だとすり替えてしまうことがあります。これは、自己保全するための反動形成という防衛メカニズムの一種で、心理的な衝撃から自己を守るための一種の防衛反応です。心は痛みを緩和し、現実を歪めて、理解しやすい形に再構築することで、現実との間に一種のバリアを作ります。

そのような状況下では、私たちは自分自身からの解離を通じて生き抜く術を学びます。解離は、私たちが耐えられないほどの痛みから避けるための防御的な心理的プロセスです。このプロセスを通じて、私たちは痛みを切り離し、現実を把握する能力を一時的に失うことがあります。

しかし、このような防御メカニズムは一時的な対策に過ぎず、結局のところ、傷つける行為に対する不満や憤りが溜まっていきます。その痛みと怒りが高まり、最終的には「相手が悪い」「許せない」「責任を取れ」「悔しい」という感情が表面化し、大きなトラブルに発展することがあります。

傷つくことを繰り返しネガティブな状態に

ヒステリックな女性は、傷つく体験を何度も何度も繰り返してきました。彼女の目に映るのは、人間の身勝手さ、エゴ、欲望、そして嫌な面ばかり、それらは彼女の心に重くのしかかり、彼女を苦しめます。

自分が脅威に直面すると、彼女の心はネガティブな状態になります。そのネガティブさは彼女を支配し、冷静な判断をすることを阻みます。その結果、彼女は自分の人生が他人に振り回され、自分自身がただ泣き寝入りするばかりの存在になってしまいます。

そのことに対する彼女の感情は、怒りと悔しさで燃え上がります。彼女の内部は、煮えくり返るような憤りで満たされ、その怒りは彼女の心を揺さぶります。彼女は自分の人生が他人の手に握られ、自分自身がそのままでは何もできないという事実に対して悔しい気持ちを抱きます。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2023-05-15
論考 井上陽平

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