自己愛性パーソナリティ障害の特徴と行動パターン

自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder, NPD)は、個人を特別であると信じている誇大な自己像、他者からの賞賛への欲求、権力志向、他者を利用する態度、共感の欠如、嫉妬、傲慢などを特徴とする、広汎なパターンを有する人格障害です。精神分析的な自己心理学の提唱者であるハインツ・コフートは、このような障害が生じる根本原因は、両親から共感を受けなかったことに由来する自己の欠損であると考え、「自己愛パーソナリティ障害の患者は、自己体験の断片化から生じる」と述べています。

自己愛性パーソナリティ障害の原因

自己愛性パーソナリティ障害の原因は複雑であり、子供の発達過程における養育者による不適切な態度や、小児期のトラウマ体験など、さまざまな要因に起因する可能性があります。トラウマは、生涯を通じて継続的な困難を経験することにつながる可能性があり、他人に対する根深い不信感と、自分の弱点や恐れをさらけ出すことへの恐れをもたらす可能性があります。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、人生の不公平で屈服しない状況に対処する手段として、強い権利と優越感を発達させた可能性があります。この権利の感覚は、絶望感や不十分さの感情に根ざしている可能性があり、劣等感、無力感、強い被害者意識を引き起こす可能性があります。さらに、彼らは、子供の頃から強い執着と依存を持っていた可能性があり、それを維持し保護せざるを得ないと感じています。

自己愛性パーソナリティ障害の人たちは特別な苦しみを味わいます。彼らはトラウマの犠牲者であり、攻撃的な性格をもつ一方で、無力な気持ちに悩まされます。また、発達障害の傾向を持つ人々もいますが、彼らは自分自身が無力だからこそ、優位な立場に立たなければならないという焦燥感を抱えています。実際には気質が脆弱であり、パニックや不安、癇癪を引き起こしやすい一面もありますが、そんな自分自身で生き残ることはできないため、自分を大きく見せて、他人から賞賛されることで、自分を保ちます。

トラウマや発達障害といったハンデがあると、現実の生々しい刺激に対する自律神経の調整が不十分なことがあります。また、嫌悪する刺激に対しては過剰に反応し、不快な気持ちになることもあります。緊張する場面では、不安や焦りが強くなり、自分自身にのみ意識が向くことがあります。日常的には、次の脅威に備えて生きていて、周囲の状況を見て、外界の圧力と戦いながら正しい答えや選択肢を探し続けます。そして、他者のために努力することで、自分自身も特別な扱いをされたいと願いますが、困難な関係にある他者とのコミュニケーションで、完璧な答えが見つからず、自分を大切に扱ってもらえない辛さで、もがき苦しみます。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴

自己愛の強い感覚を持つ人はしばしば自己陶酔的であり、彼らはすべてを知っていて、賢く、有能で、特別な存在であると信じています。彼らは根拠のない自信を持ち続け、まるで幸せであるかのように人生を送ります。彼らは自分が世界の本質を明確に理解していると見なし、他人を愚かであると認識しています。一部の個人は、壮大な空想に過度に夢中になり、他人を軽蔑して見下し、人を人とも思わないような態度を取る人もいます。自己愛が病的であればあるほど、彼らは自分自身に夢中になり、実物よりも大きなイメージを持ち、傲慢な態度を取ります。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、他者からの受け止め方が自分の評価になるという考えから、自分を完璧なものとして演出することを心がけます。そのために、普段から人に好ましく思われるために、多くの知識を吸収したり、美しい外見を心がけたりすることが一般的です。また、他者からの批判や拒絶に弱く、安心できるのは、完璧なものだけだと考えているという人もいます。そのために、良い車に乗ったり、上質なスーツや時計、靴にこだわったり、整形やジム通い、ダイエットなどを通じて外見を磨くこともあります。これは、他人に好ましく思われることが自分の価値に繋がり、心地良さを得ることができると考えられているからです。

トラウマの影響によって、自己愛に損傷を受けた人もいます。彼らは怒りを内に閉じ込め、それが現在の人間関係に困難を生んでいます。自分を受け入れ愛することができず、理想と現実のギャップに苦しめられます。自己愛性パーソナリティ障害を抱える人は、アイデンティティが希薄に感じ、自己を保てない不安を強く抱き、外的な価値を埋め合わせることで不安を和らげようとするが、これによって外見だけを装った人生になり、本質的な人間らしさを失ってしまいます。

神経発達の問題

自己愛性パーソナリティ障害の人は、トラウマや発達障害の傾向から、危険に備えた生き方をしている方が多く、視覚優位になっていきます。彼らは、人の話を耳から聞いて学習するよりも、目で見た情報を頭の中で情報処理することで学習していきます。また、子どもの頃から逆境体験が多いと、とても辛く苦しいという感覚を麻痺させるようになります。そのため、目で見て学習することが得意になりますが、身体感覚の弱さや耳で聞くことが苦手になり、他者性や共同身体性がアンバランスな形で成長する可能性があります。注意点として、聴覚が弱いわけではなく、非常に敏感な聴覚を持つために、人間のコミュニケーションに使う高周波の音ではなく、獣の唸り声など低周波な音に注意が向いています。

その結果、自己愛性パーソナリティ障害の人は、子どもの頃から自分の話を一方的にするようになり、相手がどう感じているのかは知ったことでないという生き方になる可能性があります。大人になってからも、自分のことばかりを話して、人の話を聞けないとか、気持ちを理解できない人間になる可能性があります。また、見た目や形にこだわるため、彼らは資格やステータスなどの外的要因に価値を見出し、自分自身が若々しく、格好良く、美しい存在であることを追い求めることが多いです。

誇大な妄想に耽る

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自己中心的な行動と、自己の価値を誇張した認識によって特徴付けられます。彼らは、自己の特別さや優越性についての誇大な妄想に浸る傾向があります。これらの妄想は、自己の自尊心を維持し、自己価値を膨らませる手段となります。しかし、それは現実とは乖離した自己認識であり、他人からは理解や共感を得にくいことがしばしばです。

一方、人間社会に生きる多くの人々が、対人関係の緊張や日々のストレスに晒される中で、人々の反応を恐れ、恥をかきたくない、人から傷つけられることを怖がり、他人の視線を過剰に気にするような状況に直面しています。彼らもまた、厳しい現実からの一時的な逃避として、誇大な妄想に耽ることがあります。

これらの妄想は、一時的に心地よい感覚を与え、疲れた心身を癒すことができます。日常生活の厳しさから解放され、自分が特別で、何か壮大なことを達成したり、認められているという想像は、自己認識を高め、一時的な安堵感を与えます。

第一印象が良い

自己愛性パーソナリティ障害の人は、第一印象が良い人が多いとされています。彼らは、自分自身を魅力的に見せるために、コミュニケーション能力や社交性を高めている場合があります。また、自分自身を宣伝するような表現や仕草を巧みに使い、自分自身を輝かせるように見せかけることができます。

自己アピールが得意

彼らは、他人の賞賛や承認を欲する傾向が強く、そのためにセルフプロデュースが長けています。自分自身をアピールするために、外見や話し方、態度や行動などを細部までコントロールし、完璧なイメージを演出することができます。また、他人からの批判や否定的な反応に敏感で、そのような状況を避けるために、自分自身をアピールすることで自信を補強することがあります。

権威や有名人とのつながりをアピールする

自分が権威とのつながりがあることをアピールしたり、人脈があると述べたりすることがあります。彼らは、自分を成功した人物と見なし、自分が権威やエリートの人物とのつながりを持っていることをアピールすることで自分自身を優位に立たせようとします。

周りの人たちを蹴落とす

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分自身を賞賛してほしくて、周りの人たちを蹴落とすような態度をとることがあります。彼らは自分を特別で優れた存在と見なし、自分を賞賛することで自己肯定感を高めようとする傾向があります。そのため、自分が優れていることを示すために、他人を卑下したり、嘲笑ったりすることもあります。

自分が一番かわいい

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分自身が一番かわいくて周りのことは知らないという考え方を持つことがあります。彼らは自分自身を中心に据え、自分が偉大で魅力的であると信じ、常に賞賛と注目を求めます。自分中心に世界を見ているため、他人のことをほとんど考慮しません。また、自分が中心にいない場所にいることを嫌い、自分が注目されないと不安になります。

自分の利益のために他人を利用する

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分自身が正しいと思い込んでいることを他人に押し付け、自分の期待を満たすために他人をコントロールしようとします。また、自分の目的を達成するために他人を利用し、彼らの欲望やニーズを満たすために人々を操ろうとします。彼らは、他人が彼らの影響下にあることを望み、自分自身を重要で、優れた人物だと思い込んでいます。

共感性や思いやりのの欠如

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分自身に対する過剰な自己評価や自己陶酔的な傾向があるため、他人との関係においても問題が生じることがあります。彼らは、自分自身が優れた存在であると信じている一方で、他人に対する共感や思いやりが欠けているため、他人の気持ちや感情に敏感に反応することができません。彼らは、他人が自分自身と同じように考え、感じることを期待し、他人のニーズや感情を無視する傾向があります。

良いイメージを保つために嘘をつく

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分が中心にいない状況や、自分の望ましいイメージを脅かすような状況に直面すると、攻撃的になります。また、自分の望ましいイメージを守るために平気で嘘をつくことがあります。自分をよく見せるために、自分が本当はしていないことを話したり、自分に都合のいいように話を曲げたりすることがあります。

世の中への不信感

人生において、親との信頼関係が適切に形成されず、大人になっても基本的な信頼感が欠如することがあります。社会や人々に対して不信感を抱き、誰とでも安心して関わることができず、家族や社会からの支えが薄く感じられ、感謝の気持ちを持つことができません。人から批判されたり、恥をかかされることを恐れ、心の奥底には罪悪感、劣等感、孤独感が漂い、自分に対する自己評価が低くなります。

権威に対して

彼らは権威に対する考え方に様々な傾向があります。一部の人は権威に批判的な観点から見ていますが、他の人は権威を目の前にした際に、相手の顔色を伺いながら、一生懸命に努力し、褒められたり、特別な扱いを望んでポジションを競います。これらの人は、相手が自分より高い立場にいるときには和やかな顔をするものの、自分が上だと思っている人には冷たく接します。また、人々が集まった場で、雰囲気を悪くする人を見た際には腹が立ち、周囲の人々の絆意識を高めるために、誰かを悪者にします。

完璧主義

物事がスムーズであれば何も問題はないが、不愉快な状況に陥った時には落ち着きがなくなり、苛立ち、強迫行為、抑うつ感が湧き上がります。。彼らは、他人からの批判や否定的な評価に非常に敏感なため、自分が他者から必要とされなくなることを不安視し、自分の失敗や欠点に対して恐れを抱えています。日常的に、不快な状況から逃れるために、論理的な選択肢や完璧な答えを頭で検討し、問題解決に向けて武装する傾向があります。しかし、完璧さを求めれば求めるほど、達成することが難しく、ミスを許さないという強いプレッシャーから、ストレスとともにハードな生活が送られることもあります。

ストレスへの脆弱性

一般的にストレス要因が少ない人は、人生は比較的スムーズに進むことになります。しかし、ストレスの影響を受けやすい人にとっては、状況はまったく異なる可能性があります。彼らはしばしばストレスの影響を受けやすく、自律神経系のバランスが崩れ、ストレスレベルが上昇すると身体的および心理的な問題が発生します。彼らは、恥をかくことを恐れていますが、そのような最悪の事態が起きると、その場にいられなくなり、声の震え、発汗、手足の震え、頭の中がフリーズするなどの症状を経験するかもしれません。人間関係の問題に直面したり、困難な状況に陥ったりすると、うつ病や過度の刺激の感情が現れる可能性があります。その結果、これらの人は自分が評価されていないかのように感じ始め、感情をコントロールできなくなり、怒りや自尊心の低下を引き起こす可能性があります。これらの問題と戦うために、彼らは周囲を過度に意識するようになり、最悪のシナリオを回避するために過度に活発な自己意識を発達させる可能性があります。

賞賛への欲求

自分の弱さや惨めさを他者に曝すことは、死に至る恐れがあると考えています。これは、苛酷な現実から自身を守るために、自分自身が特別な存在であるという意識を持つことによって生まれます。このような意識は、非常に自分を愛する空想に基づいており、自分自身を必要以上に大きく見せる傾向があります。また、他者から評価されたいという強い欲求もあります。美しさ、富、名声といった物質的なものと同一視し、大勢の人々の注目を集め、賞賛されることを求めます。

自己愛憤怒

パートナーや親しい人から自分は大切にされていないといったことに対して、腹を立てることがあります。また、恥じらいや屈辱を味わうことで激しい怒りが湧き起こります。このとき、手足が震え、制御不能の感情が押し寄せ、自分の怒りを相手に放り出します。罵声を吐き、感情にまかせて行動することもあり、このような状態が長時間続くこともあります。しかし、このような怒りの瞬間は、身体を活発に動かし、思考を整理することもでき、滞っていたエネルギーを発散することで、心も体もすっきりした状態になります。

自他の境界が曖昧

トラウマや発達障害の影響によって、負担のかかる身体を抱えて生きていますが、社会に馴染むために自分自身を脱身体化し、傷つかないという偽りの姿を見せています。このため、私は人間としての経験が欠如し、自分と他人の境界が曖昧であり、積極的な行動を取り、他人の持つものすら自分のものだと思い込んでしまう傾向があります。

優位と劣位

何事にも完璧にこなしたいと願い、人との比較によって自信を失ってしまいますが、それを補うために優位な立場に立つことを望みます。自分が優位な立場にいると、自分自身が輝いて、元気になります。しかし、劣った立場にいると、辛くて我慢できない気持ちになり、その場から離れたくなります。そのために、地味な自分よりも派手な自分、惨めな自分よりも優越的な自分、臆病な自分よりも特別な自分に変貌しようとするのです。

自己愛性パーソナリティ障害の行動パターン

一般的に言われている自己愛性パーソナリティ障害の人は、根深い特権意識(つまり、特別有利な取り計らい、または自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する)と自分が重要であるという誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)を反映した行動パターンを示す傾向があります。彼らは他人からの注目を引きたがり、過剰な賞賛を求めている可能性があり、しばしば自分自身を他の人よりも優れていると見なしています。彼らは他人の意見や感情を却下または取り下げ、自分の利益のためにそれらを使用し、彼らの行動の結果を無視する可能性があります。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の無力な部分を隠し、成功と身体的属性を強調する傾向がある可能性があります。この行動の組み合わせは、コミュニケーションや他者との関係を困難にする可能性があります。自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人の意見や評価に強く依存しているため、自己認識が限られ、自分の感情や価値観に対する理解が不足する可能性があります。

自己愛性パーソナリティ障害の行く末

外向的で人を魅了する自己愛性パーソナリティ障害の人は、アダルトチルドレンの世話役的な相手と人生の生活を設計する傾向があります。彼らは、自己愛的な崩壊を起こさないように、自分を支える相手を求めます。しかし、その関係はしばしば不均衡で、自己愛性パーソナリティ障害のパートナーは自分自身のニーズや気持ちを犠牲にし続けます。彼らは中年期に達すると離婚する可能性が高くなり、子どもたちは自立して親から距離を置く傾向があります。

若い頃に虚栄心が強かった高齢の自己愛性パーソナリティ障害の人たちの運命は、最終的に不安と無力感に包まれることになります。歳を取るにつれ、自分の価値を保てなくなったことに気づくと、人生の晩年に向けて孤独に苛まれることになります。彼らは、自分の中心の世界を見ており、自分の欲求を満たすために手段を選ばず、若返るための努力を怠らず、他人の感情やニーズを無視する傾向があるためです。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、小児期の逆境体験から、認知症、心臓病、呼吸器疾患、肥満、糖尿病といった身体の病気や、うつ病、不安障害などの精神疾患のリスクが高くなります。身体の機能が落ちていくと、不安や妄想が強くなります。また、認知機能が低下していくと、自分の子どもからお金を無理矢理取り上げ、さまざまな治療費に充てたりすることがあります。

自己愛性パーソナリティ障害のチェック項目

自己愛性パーソナリティ障害のチェック項目には以下のようなものがあります。

  1. 自己の価値を過大に評価している。
  2. 自分を特別であると考え、他人を劣っていると考える。
  3. 他人に対して過剰な要求をする。
  4. 自己中心的な思考や行動をする。
  5. 他人からの褒めや認めを求める。
  6. 他人の意見や感情を無視する。
  7. 他人を利用し、自己の利益のために使う。
  8. 他人に対して冷たく、傲慢な態度を取る。

高機能の自己愛性パーソナリティ障害

高機能の自己愛性パーソナリティ障害を抱える人たちは、子どもの頃から学校で優秀な成績を残し、運動も得意であり、自信に溢れた外見を持っています。彼らは集団の中で自分の思う通りに動くことが多く、ポジティブな記憶を多く持っています。彼らは、不快な状況に陥った場合、自分がここにいるべきではないと強く思い、正解を探し問題を解決する力を持っています。このタイプは、男性が優遇されている日本社会において、社会的に成功しやすい立場にいる男性が多いと言われています。

彼らは仕事においても効率的に動き、社会的に成功しやすい傾向があります。高機能な人たちは、自分の思う通りに動かすことが得意であり、若いうちに管理職に就任していたり、年収が日本の平均年収の2~5倍以上の稼ぎ手もいます。彼らは合理的な思考ができ、仕事を転々とすることなく、長期的に一つの仕事に専念する力があります。

子ども時代から厳しい親からの躾とともに、常に親の顔色を気にしながら、手順を詳細に考慮し、先回りして正解を探求することで、優等生としての実績を残しました。仕事においても、認められるために努力し、石橋を叩き進みます。あらゆる想定を踏まえ、バックアップを整え、予想外の事態に対するプランを練ります。仕事に対する努力は、周囲からの評価を生み、不安な気分を埋めてくれます。

中年期以降、責任ある役職に任せられ、追い詰められながらも、与えられた課題を解決していくことが仕事上のストレスとなります。外では良い夫役を演じますが、家庭内では妻の批判を重ね、無茶苦茶な態度をとります。

低機能の自己愛性パーソナリティ障害

低機能の自己愛性パーソナリティ障害の人は、子どもの頃から、学校の成績が悪く、運動も苦手で、外見に自信がなく、集団の中では自分の思った通りにはいかず、ネガティブな記憶を持ちます。彼らは、敏感なプライドを持ち、傷つくことを極度に恐れています。そして、無力感に支配されていき、人目を避けようとして、下を向いて歩き、引きこもる傾向があります。このタイプは、発達障害や複雑なトラウマを抱えている男女に多いです。

彼らは、仕事や人生の舞台で緊張し、不完全な結果しか生み出せないという失敗のパターンを繰り返します。努力する一方で、性格上うまくいかないというギャップを感じ、現実と理想の自分との葛藤に苦しむことがあります。高い理想を持ちながらも、努力しても不完全な結果に終わり、このような苦しみは繰り返されることがあります。

低機能の自己愛性パーソナリティ障害の人は、将来に関して悲観的に考え、絶望や無力感を感じることがあります。彼らは、将来に不確実なことが強く心配され、いろいろなリスクに対する不安が強いため、自分がどのようにすべきか分からずに困惑します。彼らは自分の力を信じることができず、具体的な解決策を選ぶことができず、自由な選択を放棄して、うまく対処することができません。彼らは他者から提供された良いものも拒絶することがあります。

彼らは些細なことでも脅かされているように感じ、恐怖心が大きくなり、決断することができません。彼らは不安や心配事ばかりに困惑し、何も選択をせずにいると、憂鬱な気分にとらわれ、時間だけが過ぎて、ますます行動を起こせなくなります。彼らは世の中の変化に対する恐れが強く、生存するための行動を起こすことはできますが、自分の主体的な行動を起こすことができません。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2021-02-21
論考 井上陽平