
「世界で最も美しいものは、見ることも、触ることさえもできない。
それらは心で感じられなくてはならない」
トラウマケア専門 こころのえ相談室は、
人が本来もっている「心と身体の調和」を取り戻し、
再び世界と穏やかにつながって生きる力を回復することを目指す、
専門的な心理カウンセリングルームです。
トラウマを受けた人の多くは、
過去の出来事を「もう終わったこと」として忘れようとしても、
身体の奥に残る緊張や不安、突然のフラッシュバック、
人との距離感の難しさなどに悩まされています。
それは意志や性格の問題ではなく、
脳と神経が「生き延びるために」選んだ自然な反応です。
私たちは、そうした心身の反応を「壊れた部分」としてではなく、
生き延びるために働き続けた防衛の知恵として理解します。
そのうえで、カウンセリング・身体心理学・トラウマ理論・ポリヴェーガル理論などをもとに、
安全な関係性の中で少しずつ身体が安心を取り戻すプロセスを支えます。
「こころのえ相談室」では、
クライエント一人ひとりの中に備わる自己治癒力を尊重し、
過去の痛みを無理に消すのではなく、
その経験の上に“新しい生き方”を築くことを大切にしています。
トラウマケアとは、
心と身体に刻まれた「恐れ」や「緊張」を少しずつほどき、
再び“安心して感じる・考える・人とつながる”力を取り戻す営みです。
それは、ただ症状を軽くするための支援ではなく、
「自分の人生をもう一度、自分の手に取り戻す」ためのプロセスでもあります。
こころのえ相談室は、
安心・尊重・共感を土台とした関係を何よりも大切にしています。
どんなに小さな一歩でも、
あなたの内側で“生きる力”が再び動き出すその瞬間を、
私たちは心を込めて見守り、共に歩みます。
自己紹介
井上陽平 (公認心理師)
■ トラウマに出会い、専門家として歩み始めるまで
私はもともと、性暴力被害者との関わりを通じて、
トラウマや解離、精神分析に深い関心を抱くようになりました。
被害者の語る一つひとつの言葉の奥に、
“人間の存在そのものが揺らぐほどの痛み”があることを知ったとき、
心の底から「この現実を理解できる人間でありたい」と感じました。
そこから、解離性同一性障害や境界性パーソナリティ障害の当事者への
フィールドワークを行い、
大学院で臨床心理学を専攻。
修了後は、児童養護施設でのボランティア、
情緒障害児短期治療施設での生活支援や相談業務、
そして精神科クリニックで精神分析的カウンセリングの研修を重ねてきました。
現在は、トラウマケアに特化したこころのえ相談室を開設し、
複雑なトラウマや解離症状を抱える方々が、
安心して自分自身と向き合える場所づくりに取り組んでいます。
■ 社会の“光と影”を見つめてきた年月
私の関心は、臨床の現場だけにとどまりませんでした。
社会の華やかな表舞台の裏には、
誰もが目を背けたくなるような暴力や搾取が潜んでいます。
特にエンターテインメント業界では、
権力構造の中で子どもや若者が犠牲になる現実がありました。
私はそうした当事者たちと出会い、
その言葉の重さと現実の残酷さに、
深い衝撃を受けました。
彼らとの関わりを通じて、
トラウマが単なる“記憶”ではなく、
生きることそのものを変えてしまう体験であることを痛感しました。
感情の麻痺、過剰な警戒心、自己破壊的な行動――
それらは「異常」ではなく、
生き延びるために心が選び取った防衛の形です。
その理解が私の人生を大きく変えました。
被害と加害が交錯し、
記憶と人格が分裂しながらも生きる人々の現実を前に、
私は“トラウマの連鎖を止める”ための支援が
今の社会に絶対的に必要だと痛感したのです。
■ こころのえ相談室の理念 ― 「人は回復できる」
トラウマを負った人は、しばしば
「自分が壊れている」と感じます。
けれど私は、そうではないと信じています。
それは「生き延びた証」であり、
人間の持つ生命力の痕跡なのです。
「こころのえ相談室」では、
ポリヴェーガル理論、構造的解離理論、対象関係論、
そしてユング心理学などの多様な理論を基盤に、
身体の感覚・感情・思考の調和を取り戻す支援を行っています。
回復とは、
“元に戻ること”ではなく、
“もう一度、ここから生きること”。
それは、過去を否定するのではなく、
自分の痛みを抱えたまま新しい自己を形づくる再生のプロセスです。
こころのえ相談室は、
その一歩を踏み出すすべての人にとっての安心の場所でありたいと願っています。
どんなに深い苦しみの中にいても、
人は再び世界とつながり、
静かに自分を取り戻すことができる――
その信念を胸に、私は今日もクライエントと向き合っています。
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