inoue youhei

トラウマ・CPTSD・解離

なぜ自分の中で相反する声が生まれるのか|トラウマと自己分裂の心理構造

人の心は、本来ひとつのまとまりとして機能する。感じ、考え、行動し、他者との関係の中で調整され、修復されながら、少しずつ統合されていく。この統合は、個人の努力によって生まれるものではない。安心して関係に入り、失敗や感情を受け取られ、再びつなが...
境界線・自己肯定感

境界線を持てなかった人の人生はなぜ危険になるのか|幼少期トラウマと「自己否定」の心理構造

境界線を持てなかった人の人生は、なぜこれほどまでに消耗し、危うくなりやすいのか。それは決して「性格が弱いから」でも、「気にしすぎだから」でもない。幼少期に形成された生存戦略が、大人になっても無意識のまま人生を運転し続けてしまうからである。境...
解離・解離性障害

真黒な空洞に戻ろうとする心|壊れたい衝動ではなく、生き延びるための内的退避

「闇に惹かれる」「黒に連れ去られる」「取り憑かれる感じがする」。この種の言葉は、ときに破壊衝動や自己否定、あるいは病理的嗜好として誤解されがちです。しかし臨床の視点から見ると、そこで起きているのは“壊れたい欲望”ではありません。それは、かつ...
複雑性PTSD

現実に触れずに生き延びるということ| 生きながらに死んだ心と、狂気ではない裂け目

境界に立つ者は、どちら側にも属せない。世界の歪みや暴力、秩序の偽りを、長い時間、受け続けてきた。正気のままでは耐えきれず、生は切り離された。死へ落ちないために、生きる感覚だけが、静かに奪われていく。それでも身体は残り、呼吸だけが続く。生きて...
解離・解離性障害

現実が入れ替わると感じるとき―解離として立ち上がる〈移行空間〉

人はときどき、「現実がずれていく」ような感覚に襲われることがある。目の前の景色は変わっていない。身体も、ここにいるはずだ。それなのに、自分がこの世界に属していないような、説明のつかない違和感が広がっていく。それは混乱というほど激しくもなく、...
トラウマ反応・身体症状

背中が固いのはなぜ?トラウマを背景に生き延びてきた身体の防衛反応

背中が固いのは「悪い姿勢」ではない背中が固い、肩が上がる、胸が閉じる。こうした状態は、整体や健康情報の文脈では「姿勢の癖」「筋力低下」「体幹不足」と説明されがちです。しかし、トラウマを背景にもつ人の場合、その理解だけでは説明がつきません。な...
発達特性

大人で発達障害と診断された人は、なぜ人生の途中で限界を迎えるのか

──違和感・過剰適応・自己否定・神経系の疲弊という長い物語「何かがおかしい」という感覚だけが、ずっと残っていた大人で発達障害と診断された人は、多くの場合、人生のかなり早い段階から「言葉にならない違和感」を抱えて生きてきた。・なぜ皆が簡単にで...
トラウマ・CPTSD・解離

セルフネグレクトとうつ|トラウマと栄養の視点から理解する「静かな自己放棄」

セルフネグレクトは、だらしなさや怠慢ではありません。それは、自分という存在への関心が、気づかれないまま静かに落ちていく状態です。歯みがきを後回しにする。風呂に入らない日が増える。通院をキャンセルする。そして、栄養を考えた食事をしなくなる。こ...
トラウマ・CPTSD・解離

人に嫌われるのが怖い人の心理|関係性トラウマと生存不安の正体

人に嫌われるのが怖い人の本質人に嫌われるのが怖い人は、単に対人関係が苦手なのではありません。多くの場合、その恐怖は「関係を失うことが寂しい」というレベルではなく、関係を失った瞬間に〈自分が消えてしまう〉感覚に近いものです。これは自己評価が低...
愛着スタイル

優しい人ほど雑に扱われる本当の理由|それは弱さでなく、「壊れた世界を二度と起こさないための適応」

「どうしてあの人は、あんな扱いをされても怒らないんだろう」「なぜ、いつも後回しにされる側になるんだろう」そう思われながら、本人だけが理由を言葉にできないまま生きている。優しい人ほど雑に扱われる。この言葉はどこか冷たく、突き放した響きを持って...