心の闇の深さの正体|トラウマ的な原因

苦難・絶望

深い闇を抱えた人は、華やかで美しい街並みの景色を眺めることがあると、悲しみがこみ上げてきます。私は暗闇の中にいて、周りは光に溢れている人々ばかりです。私は正反対の存在だから、寄り添うこともできず、普通の幸せを手にすることもできません。それでも、夢から逃げず、病気に打ち勝とうとして、どんなに辛い状況でも諦めずに頑張ろうとします。しかし、鏡に映る自分の姿には、深い闇が映り込んでいるように感じられます。

深い闇を抱えた人々

深い闇を抱えた人々は、過去に虐待や性暴力、いじめなど、人間扱いされなかったトラウマを抱えているため、複雑な症状が現れる可能性があります。具体的には、複雑性PTSD、解離性同一性障害、境界性パーソナリティ障害、統合失調症などがあります。これらの症状は、心身に大きな影響を及ぼし、深刻な問題を引き起こすことがあります。

深い闇の中にいる人は、この世界への不信感が非常に強く、苦しさがあまりにも大きく、全身に様々な症状が現れ、感情や行動をコントロールすることが困難になることがあります。ストレスに対して非常に脆弱であり、自分自身を支配できなくなり、体が捻じれていくような感覚や、バラバラになりそうな感覚に苛まれ、崩壊しそうになることがあります。また、危険な状況に直面した際には、フリーズして動くことができなくなるため、何度も被害に遭いやすくなることがあります。

彼らは子供の頃から、孤独で取り残された人生を送っており、普通の幸せを知ることができず、自分自身の運命に呪われたように生きなければならないと感じています。「私は闇であり、光の世界で幸せに生きる人々とは違う」と自分自身に言い聞かせ、自分が辛くて苦しんでいるのは自分自身のせいだと罰を与えるようにしています。彼らは愛されない自分が悪い、生きる価値がないと感じ、苦しまなければならないと自分を追い込むことがあります。

複雑なトラウマを抱える人々は、絶えず危険に備えて、外の環境に敏感に反応し、どこにいても不安定になり、常に傷つけられることを考えたり、被害妄想に陥ったりします。幻聴の場合、見たことのない人物が自分に話しかけたり、聞いたことのない声で自分を呼ぶため、不気味な感覚に陥ります。解離や離人症状では、雲の中を旅するかのように現実から離れ、自分から距離を置いた状態に陥ることがあります。そして、自分自身と向き合い、自分の分身と対話するか、もう一人の自分が一方的に話しているのを聞くことになります。

複雑なトラウマを経験し、構造的解離を持つ人々は、日常生活を送るあたかも正常かのようみえる人格部分と、時折現れる情動的な人格部分との間で共存や交代が起こることがあります。通常、情動的な人格部分(身体パーツ)は二極的な性質を持っており、例えば「優勢な残酷さ」と「脆弱な傷つき」のように対照的な特徴があります。それぞれの極は夢の中で表れ、時には現実にも現れます。

彼らは、自分の心の痛みを理解しつつも、日常生活を平常心を保ち過ごすために心の痛みを奥底に隠しています。脆弱な傷つきは、自分の中に隠されている心の痛みの部分の声であり、身体のあちこちで助けを求めて泣いて暴れています。優勢な残酷さは、無慈悲な神(セルフの暗黒部分)のごとき振る舞い、痛みや苦しみを暴力に変えてしまうことがあります。

無情な神と深い闇の対話

複雑なトラウマを背負い、構造的解離を経験した人々が、自己を映す鏡に目を向けると、深淵のような暗闇が映し出され、情動的な人格部分(身体パーツ)が活性化することがあります。無情な神のような存在は、自分自身に直面すると、追求したい理想的な輝きからはほど遠く、深い闇に包まれている現状に苦悩します。

その苦痛と悲しみが増すことで、この世界に対する絶望感が高まり、暗闇の深淵へと引きずり込まれます。その過程で、無情な神のような存在が自虐的な行動を繰り返し、我々の心に深い脅威を感じさせる存在と化します。

その無情な存在は、全身で助けを求めて泣き叫ぶ傷ついた部分や自分自身を攻撃し、消し去ろうとします。「何度も君を傷つけ、殺そうと思った。しかし、君は困ったことに生き続けている。常に“死にたい”と言ってはいるが、決して死んでくれない。なぜ死なないんだ?君がいるから僕たちは迷惑しているんだ。本当に死にたいなら、さっさと死ね」と言います。

しかし、その声に対し、深い闇は答えます。「いえ、私は今すぐにでも死んでもいい。しかし、私が死ねばあなたは困るでしょう。」

「何を言っているんだ。君がいるからこそ、僕たちは困っているんだ。」

「それは本当でしょうか?私がいなければ、あなたは一時的には輝くかもしれません。しかし、その光はすぐに消えてしまうでしょう。光は暗闇と共に存在します。暗闇が深ければ深いほど、光はより明るく輝くのです。だから私はあなたのために、この真っ暗な闇の中に残ります。私がいなければ、あなたは困るでしょう。」

心の闇が深い人の苦悩

無情に振る舞う神のような存在でも、人間の愛情と思いやりによって、真に変容する可能性を秘めています。しかし、もし人間らしく扱われなければ、その存在は腐敗し、光とは対極に位置する闇の使者と化します。それは、人間の純粋な精神とは正反対の罪深さを象徴する存在となります。

悪魔に成り果てた存在は、自分自身に今まで受けた苦しみを負わせるようになる場合があります。ここからは、悪魔的人物が内部に存在することで苦しむ人を描写しています。

あなたが暴力を行使するたび、私はあなたに支配されているかのように感じます。あなたの内部の闇が私を覆い、私は自由を得られないのです。あなたの闇に操られ、私の意志とは別の行動を強いられ、私自身のコントロールが奪われてしまいます。喜びや平和を見つけることができず、あなたの闇に圧迫されて息苦しく、身体が耐えきれなくなるほどです。

あなたに伝えたいことがあります。何故、あなたはその暗闇を背負い続けるのでしょうか? なぜ、私たち二人にとっての苦痛であるこの暗闇を引き受け続けるのですか?時には、私の命すら奪おうとしています。その行動の理由が理解できません。あなたは私の一部であり、私を苦しめたり抑圧したりすることで、自身も同じ苦しみを背負うことになるのです。その重荷をいつまで背負い続けるつもりなのでしょうか?自己破壊から何を得るのでしょうか?

悪魔の本心と対処法

悪魔は、自分自身が人を信じようとすることが許せず、幸せになることも許せません。「お前が逃げなかったせいで、私が身代わりになり苦しみ続けた。だからお前は死ぬまで苦しみを味わえばいい」と言い、強い恨みや怒りを持っています。悪魔は、苦痛を引きずり、その原因となった人や物事に対して強い敵意や恨み、復讐心を抱いています。

このような悪魔に支配されたような心理状態にならないようにするには、自分自身を守るために、人間扱いされないような環境から逃げることが必要です。そして、安全で健康的な環境を作り出すことが大切です。もし酷い環境から逃げることができない場合は、解離状態になる可能性があります。解離状態とは、非常に困難な状況下において、自分自身を保護するために、現実の苦しみを遠ざけることができますが、その結果、別の自分が苦しむ可能性がある状態を指します。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2023-2-18
論考 井上陽平

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