HSCと発達障害の違い

HSP

HSPと発達障害は、それぞれ異なる状態を指す用語です。このページでは、それぞれの特徴について説明しています。

HSCとは

HSCは、High Sensitive Child(高感受性の子供)の略であり、刺激に敏感で感情的になりやすい子どものことを指します。HSCの子どもは、非常に敏感で、音や光、匂い、触感に反応しやすく、大人や他の子供たちに比べて情緒的に影響を受けやすい傾向があります。HSCの子どもたちは、新しい環境に適応するのが難しいことがあり、学校やにぎやかな場所、集団行動などでストレスを感じることがあるとされています。HSCは、感覚過敏の状態が長期化すると、不安やうつ病、パニック障害などの精神的な問題を抱えることがあるともされています。

発達障害とは

発達障害とは、脳や神経系の発達に障害があるために、言語の発達が遅い、対人関係がうまくできない、特定のことには非常に能力を発揮する一方で、ある分野は極端に苦手、落ち着きがない、集団行動が疲れるなどの面で問題が生じる状態を指します。具体的には、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、知的障害、学習障害などが挙げられます。

ADHDは、注意力や衝動性、多動性の問題がある状態であり、学校や社交的な場で問題が生じることがあります。ASDは、社会的な相互作用やコミュニケーション、感覚処理の問題があり、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などのタイプがあります。知的障害は、知能の発達に問題があり、学習や社交的な活動に制限が生じます。学習障害は、学習に関する問題があり、読み書きや計算などの能力に影響を与えます。これらの障害は、幼少期から発見されることが多く、早期の治療や支援が重要とされています。

HSCと発達障害の違い

HSCは刺激に人一倍敏感で、感情的になりやすい子どもであり、一般的に言語や学習において問題がありません。感受性の強い人は、環境を敏感に捉えるため、適応する力、学習する力も高くなる可能性があります。

一方、発達障害の場合、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)など、異なるタイプの障害があります。これらの障害は、神経系の発達に問題があるため、注意力、社会的相互作用、コミュニケーション、言語、感覚処理に問題を抱えることがあります。

総じて言えるのは、HSCと発達障害は、異なる状態を指す用語であり、それぞれが独自の特徴を持つということです。注意力、社会的相互作用、学習、言語、感覚処理などの面で問題が生じる場合は、発達障害を疑うことが必要です。HSCは、人に興味があり、社会性が育ちますが、家庭や学校生活のストレスが強くなると、ADHDのような行動を取ったり、ASDのように見えたりして、誤診されてしまうケースがあるようです。

HSCとASDの違い

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子ども

自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもたちは、発達の早い段階に、神経発達が妨げられているため、嫌悪刺激に対して生体機能のリズムの調節が機能せず、全て脅威を感じてしまいます。このため、この世界への基本的信頼感が欠如し、自分の身体への支配感が弱く、体幹がグラグラして、非常に防衛的な生き方になります。幼少期の頃から、言葉の遅れや集団行動の難しさ、融通が利かない、感情が乏しい、母子分離の不安、パニック発作などで発見されることが多いです。

ASDの子どもは、周囲の環境に対して、無意識下で危険に備えており、低周波帯の音に対する過敏さのせいで、他人が使う言葉(高周波帯)を理解したり、感情を読み取ったり難しくなります。そのため、身の周りの人が話すような言語を習得しづらく、身近な人とのコミュニケーションが難しいです。その影響から、他人に共感することや相手の行動を理解することに苦労し、周りの人に同調することができず、空気を読むことが難しいです。さらに、極度の感覚過敏になり、刺激に対して身体の反応が異常に大きく、頭の中の情報処理がスムーズにいきません。例えば、好きな食べ物は好ましく摂取できるものの、嫌いなものには強い反応を示します。

親がASDの子どもに対して最適な環境を整えるためには、まず子どもの特性を把握することが重要です。ASDの子どもたちは、予測可能で安定した環境を好む傾向があるため、規則正しい生活スタイルや、繰り返し行動を含めた日課を設けることが効果的です。また、ASDの子どもたちは感覚過敏である場合があるため、音や光、臭い、触覚に敏感に反応することがあります。そのため、親は子どもが快適に過ごせる環境を整えることが必要です。

ASDの子どもたちは、コミュニケーションに課題があるため、親が子どもたちと適切なコミュニケーションを取ることが必要です。例えば、子どもたちが興味を持っていることについて質問をすることで、コミュニケーションを促すことができます。また、ASDの子どもたちは、感情を表現することに苦手意識があるため、親は子どもたちの感情を理解し、適切な支援を提供することが大切です。

HSCの子ども

一方、HSCを持つ子どもたちは、危険を察知する能力は高いですが、基本的なベースはしっかりしているため、顔の表情と心臓はしっかり連動し、交感神経を柔軟に使えて、頭の中で情報処理を努力し、社会交流のシステムが働いています。しかし、感受性が強すぎるため、家族関係をストレスに感じて、思春期以降に、原因不明の身体症状や精神的な問題が現れることがあります。また、学校をストレスに感じて、不登校になることがあります。

HSCの子どもは、人一倍感受性が強く、他人の考えや気持ちの読み取りに長けており、他人が感じることを自分も感じてしまうという特徴があります。この特性は、思慮深く様々なことに気がつく才能である一方、集団生活が苦手ですぐに疲れてしまいます。また、光、音、においなどへの感受性が強いことが多く、とりわけ慢性的なストレスにさらさられている場合には、さまざまな刺激に対して過敏に反応してしまう傾向があります。

HSCの子どもにとって親が最適な環境を整えることが重要です。HSCの子どもが成長するにつれ、親は子どもの感受性や才能を把握し、その特性を活かすための環境を整える必要です。例えば、静かで安らかな環境や、親密な関係を築くことで、子どもたちは自己表現や社交性を向上させることができます。また、HSCの子どもたちは、美術や音楽などの芸術的な才能を持っていることが多いため、親が子どもの好みに合わせた趣味や教育を提供することも大切です。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2023-02-19
論考 井上陽平

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