セルフケア・対処法

心が壊れそうなとき、環境を整えるという選択|回復は意志ではなく安全から始まる

心が壊れそうなとき、「自分が心地よい」と感じられる場所へ移動することは、単なる気分転換ではありません。それは神経系の再調整(regulation)です。トラウマは思考より先に、身体に残ります。身体が危険を読み続けている限り、どんな前向き思考...
対人関係の悩み

両親が不仲だった人ほど、恋愛で「誠実に疲れ切る」理由

両親の仲が悪い家庭で育った子どもは、心のどこかで誓います。「自分は絶対に、あんな家庭をつくらない」と。だから恋愛や結婚に対して、とても真面目になる。誠実であろうとする。相手を傷つけないように、空気を読み、我慢し、先回りして尽くす。けれど、そ...
人格傾向・パーソナリティ

自己愛が壊れる前に何が起きているのか|怒りの裏で止まる“神経系の調整装置”

仕事で高く評価されていた人が、たった一度の失敗をきっかけに激しく怒り出す。周囲から尊敬されていた人が、部下に意見された途端、その相手を徹底的に批判し始める。恋人から少し距離を置きたいと言われただけで、相手を責めたり、急に冷淡になったりする。...
人格傾向・パーソナリティ

自己愛性パーソナリティ障害の末路|最後に残る内的空洞

自己愛性パーソナリティ障害の「末路」を、単なる因果応報や破滅の物語として語ってしまうと、本当に起きていることが見えなくなります。たしかに、長年の人間関係の摩擦から家族や友人が離れ、孤立しているように見えることはあります。仕事上の立場を失った...
トラウマ・CPTSD・解離

発達性トラウマ障害はなぜ「発達障害に似る」のか|注意散漫・多動・過敏の正体

発達性トラウマ障害を抱える人は、しばしば「発達障害に似ている」と言われます。注意が散りやすい。多動的に見える。刺激に過敏、あるいは極端に鈍い。しかし臨床的に見ると、その中核は神経発達の欠陥というよりも、安全な他者の不在の中で組織化された神経...
愛着・対人関係・人格の問題

安心できない人の心理と身体|落ち着くほど苦しくなる理由と回復の道

安心できない人は、安心という状態に入った瞬間、身体と心が「危険」として反応してしまう人です。外から見ると、ただ警戒心が強い。疑い深い。人を信じられない。そう見えるかもしれません。けれど臨床の現場で起きているのは、もっと根の深いことです。それ...
精神分析理論

無意識とは何か──フロイトから「関係」と「身体」へ

無意識という概念を最初に理論化したのは、ジークムント・フロイトである。彼にとって無意識とは、抑圧された欲望や葛藤の貯蔵庫だった。耐えがたい衝動や記憶は意識から排除され、夢や症状として回帰する。神経症は、その抑圧の産物である。だが、その後の臨...
複雑性PTSD

複雑性PTSDの人は、なぜ明るく社交的に見えるのか|関係の中で起きる凍結反応

複雑性PTSDを抱える人の中には、外から見ると社交的で、よく笑い、場の空気を読み、人と自然に関わっているように見える人がいます。けれど、その明るさが、その人の内側に十分な安全感があることを意味するとは限りません。幼少期から関係の中で傷つき、...
心理技法・治療法

身体が止めに来るときートラウマ・解離・パニックは神経系の緊急ブレーキ

人は本来、「十分に抱えられる環境」の中でだけ、自然に力を抜いて存在できる。抱えられるとは、甘やかされることではない。ふらついたときに支えがあり、揺れたときに戻れる場所があり、感情が出ても世界が崩れないことだ。けれど、幼いころから「迷惑をかけ...
愛着スタイル

“ただ生きてきただけ”なのに苦しい人へ――関係的トラウマの構造

心が痛むとき、人はそれを「寂しさ」や「孤独」と呼びがちだ。けれど臨床で出会う痛みは、それだけでは終わらない。胸の切なさは、単なる気分ではなく、関係の歴史がつくった構造として現れることが多い。幼少期に、感情の出口を見失う家庭で育つと、子どもは...