愛情不足で育った大人の特徴をチェックする

親子・家族

「愛情不足で育つ」という言葉の意味は、自分が子どもの頃に親から十分な愛情や配慮を受けなかったことが、自分の成長や人間関係に悪影響を与えたということを意味します。これは、親と子どもとの関係において、愛情や信頼、支援などが不足していることが原因で、子どもが自信や自尊心が低くなったり、人間関係に不安を感じたりすることがあるとされています。

愛情不足で育った大人の特徴

親との距離感・信頼感に悩む

親から愛情を貰えずに育った人は、親にほめられたくて、振り向いてほしくて、「いい子」にしていたり、「頑張ること」を辞めずに続けてしまいます。彼らは、いつか愛されるはずと淡い思いを捨てきれずにいます。

子どもの頃から、自分の意見や気持ちを表現すると親から叱られる経験が積み重なると、自分の判断力に自信を無くします。次に何か行動を起こそうとしても、これまでの親の反応が頭に思い浮かんで、決断が迫られるたび、親が選びそうな答えを選択して安心を得ようとしてしまいます。

また、親の機嫌が変わりやすい場合、子どもは親の機嫌が安定することを望んでいるため、その都度その時の状況に合わせて親への接触を試み、親の機嫌を取ろうとします。しかし、同じような場面で一度親の機嫌をとることに成功したとしても、次も同じ手が通用するとは限らず、毎回違った対応を試みなければならないという状況に陥っています。このような状況を繰り返していることが、子どもにストレスと緊張を引き起こします。

うつ病や疲労、病気になりやすい

親から愛情を貰えずに育った人は、自分自身の価値や自分に対する自信が低くなることがあります。また、人からの支援や支えを求めることも恥ずかしいと思っていることがあり、孤独や寂しさを感じていることもあります。

また、幼少期に親から愛情を貰えず、家庭環境がつらいという体験をすることで、適応するために自分自身を抑制して生きてきたこともあります。そして、自分自身の感情や願望を埋め込んでいることもあり、社会的なプレッシャーやストレスに対処することが困難な状況も生じます。

このような状況は、心理的なストレスや不安を引き起こすことがあり、うつ病や適応障害の原因になることがあります。さらに、親からの愛情不足は、心理的な影響だけでなく、身体的な影響も引き起こすことがあります。ストレスや不安によって生じる生理学的な変化が、身体を弱らせ、疲れや病気に繋がることもあります。

裏切られることが怖くて期待しない

親から愛情を貰えずに育った人は、愛情や関心を求めることができず、結果として自分から期待を持つこともなくなってしまう傾向があります。彼らは、母親から振り向いてもらうためにいい子にしたり、父親から愛されるために頑張ったりしてきましたが、過去に何度も裏切られた経験から、期待することが失望に繋がるということを学びます。

これは、自分の期待が見事に裏切られるという連続した体験によって強く影響を受けます。期待を持つことはリスクを伴いますが、親から愛情を貰えずに育った人は、そのリスクを取ることを怖れていると同時に、期待を持っても見事に裏切られることを怖がっているからです。

また、いいことが起こっても不幸がやってくるという考え方も形成されます。これは、親からの愛情を貰えずに育った経験によって、望んでも得られないものがいっそう痛みを増幅させるという形で影響を受けるからです。彼らは、心の傷を癒すために、自分自身を隠し、他人から期待されないように生きることが多いです。

人間関係の構築が困難

親から愛情を貰えずに育った人は、他人との信頼関係を築くことが困難な傾向があります。自分が愛されないことを体験した過去から、他人にも愛されないことを恐れて人から遠ざけてしまう場合があります。また、他人から親切にされたり、良いことが起こると不安を感じ、不幸がやってくるという風に恐れを抱くこともあります。

彼らにとっての他人と親密な関係を築くことに対するブレーキが強くなり、人とのつながりを持っていくこと自体が困難な状況に陥ってしまいます。彼らは他者とのコミュニケーションに苦手意識があり、人との接することが居心地が悪くなると感じてしまい、自分自身から人との関係を避けてしまう傾向があります。

愛情そのものがわからない

親から愛情を貰えずに育つと、愛情そのものが分からなくなります。愛情を他人から受けたときには安心する感覚になり、心が満たされますが、自分に自信がないために他人に心を開くことが不安です。また、愛情を受け入れることができると、過去に当たり前だと思っていた不幸な状況に耐えられなくなる怖さが増すということもあります。

幼少時から愛される経験が不足しているため、純粋に喜ぶ方法がわかりません。愛情そのものに対しても半信半疑なため、相手の愛情を信じられないことがあり、猜疑心が強まることもあります。また、不確実なことが怖いため、安心できるものを見つけられない場合、その怖さに耐えられず、自分から相手との関係に終止符を打つこともあります。

自分に自信が持てない

愛情を受けられない家庭で育った人は、親が自分を否定してきたため、自分自身に対する自信や信頼が低くなりがちです。親から認められない自分を責めたり、自分を嫌ったりすることがあります。

また、親から充分な愛情を受けてこなかった経験から、自分は良いことをしても愛されないという思い込みが強く植え付けられています。そのため、自分に問題があるのではないかと考え、自分の価値や能力に対する疑いが強い傾向にあります。

このような人々は、自分自身を守るために、他人との距離を置いていることもあります。また、心の傷を癒すために自分自身を隠すこともあります。自分の気持ちや感情を開示することが苦手な傾向があります。

他人からの評価に敏感

自分に対する評価が低いと感じると、他人からの評価にも敏感になり、容易に傷つくようになってしまいます。このような人たちは、人との気持ちのつながりを作ることに対して不安を感じ、他人の批判や拒絶に落ち込んだり怒ったりしてしまうかもしれません。

その場に適応しようとして頑張る

親から愛情を貰えずに育った人は、頑張ることに対して強い熱意を持っていることもあります。自分自身を育て上げること、他人からの認めを得ること、自分自身の価値を高めることに努力をする傾向があります。しかし、そのためにも自分自身を焦らすこともあります。

感情のコントロールが難しい

親から愛情を貰えずに育った人は、安心感が育っていないため、自分の感情をコントロールすることが難しくなります。彼らは抑うつやイライラ、不安な気持ちに陥りやすくなります。

自分の子どもへの愛し方が分からない

親から愛情を貰えずに育った人は、親としての自分の愛し方が分からなくなるかもしれません。このような人たちは、親から愛情を受けなかった自身の経験から、親と同様に自分の子どもに愛情をもたらすことができないと考えがちであり、子どもとの信頼関係を築くことに対して抵抗があるかもしれません。また、子どもに同じような辛い思いをさせたくないという気持ちが強いかもしれません。理想的な親としての振る舞いや、子どもへの愛情を注ぐ方法が分からないということもあり、子育てに対して苦慮する可能性があります。

まとめ

これらの結果として、親から愛情を貰えずに育った人は、他人とのつながりや、よりよく生きていこうとすることに対してのブレーキが強いという状態になり、適切なサポートがないと自分の感情や行動が制御できなくなることもあります。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2023-2-9
論考 井上陽平

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