脅かされる環境にいて凍りつく人の特徴

複雑性トラウマ

複雑なトラウマを経験して、危険な状況にいる人は、その危険から身を守るために、必要な動きをしなければならない状況に追い込まれます。人は、危険に直面すると、防衛的な姿勢になり、筋肉を緊張させて、闘ったり逃げたりする能動的な行動を取ります。しかし、闘ったり逃げたりできない場合には、凍りついて動けなくなるとか、無力な状態に陥ります。

身体が凍りついている状態で生活している人は、外界の刺激に弱くなっています。彼らは、強い刺激や嫌悪刺激に曝されると、無意識のうちに危険を感じて、筋肉が硬直します。凍りつきの人は、過剰な警戒心から、人の気配や音に耳を澄まして、じっと動きません。

身体が凍りつくと、頭の中では色んな事を予測したり、情報処理をし始めたり、あらゆる事態に対応して自分の身を守ろうと必死になります。頭の中ではシュミレーションできていますが、実際には脅かす対象に対して、自分の本音や感情を出すと、もっと脅かされるかもしれないと思っているため、不安や恐怖に繋がり、自分の感情に蓋をしてしまいます。

すぐに凍りついてしまう人は、大勢の人の前で緊張が強まるときに、頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなることがあります。また、人から怒られたりしたら、自分の意見が言えずに、フリーズしてしまうかもしれません。

凍りついている人は、足がすくんで棒のように、足元がぐらつく不安定な人生になります。例えば、身体が凍りつくと、恐怖や不安が高まり、パニック状態になったり、ぼんやりとする時もあります。また、全身倦怠感を伴いやすく、四肢末端の感覚鈍麻となり、手先や足先に力が入らなくなります。身体感覚が麻痺すると、外界の刺激に対して、反射的な動きが取りにくくなり、身体機能が低下します。

足元はフラフラして不安定になりますが、日常生活の動作をこなさなければいけないという自分の意思が働き、自分の凍りついた身体を動かす必要があるため、自分に大丈夫と暗示やおまじないのように言い聞かせて心身の安定を図り、自分のからだを再稼働させ、あたかも正常化のようなふりをして生活をしています。

脅かされる環境にいて、凍りつき状態が長引くと、感情が無くなっていき、自分のことがよく分からなくなります。凍りつき状態というのは、ストレスのもとで、戦うか逃げるかという強いエネルギーを抑制しているため、ものすごく疲れてしまいます。

この状態が続くと、エネルギーが枯渇していき、消耗しきって、無気力になります。そして、気力がなくなると、生きているのもしんどくなり、自分の欲求も失われて、食欲もなくなります。また、凍りつき状態というのは、受け身的な防衛反応のため、人が怖くなり、外に出ることが怖くて、引きこもっていたいと思うようになる人も多いです。

身体を凍りつかせている人は、人から傷つけられるかもしれない恐怖が強く、警戒心が過剰になり、心身から症状が出てきます。人が怖くて、他人の意見が気になり、空気を読みすぎてしまうところがあります。小さい頃から、凍りつき状態で生活している人は、真面目にしなきゃいけないと思って、いい子を演じ、必死に生きているかもしれません。また、将来への不安が強くなり、落ち着かない状態で生活しています。さらに、うまくできない自分を責めて、自分に厳しくなることが多いです。

凍りつきが慢性化して、心身の状態が悪くなり、ゆっくり休む必要があるのに、自分の居場所が見つからない場合は、無理をし続けることになり、病気になってしまうかもしれません。そのため、身体が凍りついている人は、自分の身体が出しているサインにいち早く気づいて、自分の心身のケアを最優先に考えたほうがいいです。

トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2022-12-18
論考 井上陽平

STORES 予約 から予約する

コメント