罪悪感とは、自分自身が何らかの悪い行為をしたり、間違った判断をしたりしたと感じることによって、自己責任を感じる感情のことを指します。具体的には、自分が悪いと感じる感情や、自分のせいだと感じる感情などが含まれます。
罪悪感の強い人のチェック項目
罪悪感が強い人の特徴を簡潔にまとめました。
- 自己評価が低く、自分自身を否定的に見る傾向がある。
- 他人からの評価に過剰に反応し、自分自身がどう見られているかを常に気にする。
- 自己主張ができず、他人の意見や要望に従うことが多くなる傾向がある。
- 自分自身の価値観や欲求を表現することが難しく、自己肯定感の低下につながることがある。
- 他人からの批判や否定的な意見に敏感に反応することがある。
- 過去の過ちや失敗に対して過剰に反省し、自己嫌悪に陥ることがある。
- 神経が繊細で、感情が豊かであるため、他人の気持ちや言葉に影響されやすい。
- 精神的なストレスやトラウマにより、罪悪感が強くなることがある。
罪悪感の強い人の心理状態
罪悪感が強い人は、過去の出来事に対して強い責任感や後悔を持ち、自分自身を責めてしまうことがあります。そのため、自分がしたことや言ったことを何度も考え、こうしなければよかったという気持ちに押しつぶされそうになることがあります。
このような状況下では、罪悪感が強い人は、今現在何かに取り組むだけの余裕がなく、活力や自信が失われている状態にあることがあります。過去の出来事を引きずってしまうため、自分自身の未来に対する展望や目標を見失ってしまうことがあります。
また、罪悪感が強い人は、自分自身に厳しい傾向があるため、自分自身を許せなくなってしまうことがあります。そのため、自分自身に対して過度のプレッシャーやストレスをかけてしまい、自己嫌悪や自己否定に陥ることがあります。
適切なサポートやケアが必要な場合があります。罪悪感が強い人が、過去の出来事を超えて前に進み、自分自身を肯定的に見ることができるように支援することが重要です。
罪悪感を消す方法、手放し方
罪悪感を消す方法や罪悪感を手放す方法は、個人によって異なる効果がありますが、以下にいくつかの一般的なアプローチを提案します。試してみて、自分に合った方法を見つけてください。
自分自身を理解する
過去に後悔することがある言葉や行動がある場合、その時の状況を理解することが大切です。自分がどのような状況に置かれていたかを把握することで、なぜそのような行動や言葉を選んだのか、どのような気持ちでいたのかを理解することができます。
また、その時自分自身が極度の不安や緊張にさらされていた可能性があります。また、危険や生命の危機を感じて、過覚醒や凍りつきなどのトラウマ症状が出ていたかもしれません。さらに、自己評価が低く、自分自身に過度なプレッシャーをかけていたかもしれません。それらの状況下で行動したことに対して自分を責めすぎることはせず、自分自身を過剰に批判的に見ることも避けましょう。
過去の行動を正当化することはできませんが、自己評価を落とし過ぎることも避ける必要があります。その時の自分自身の気持ちや状況を把握することで、同じような状況に出くわした時にはより適切な行動ができるようになるでしょう。
過去の行動と自分の本質を区別する
過去にした行動がひどかったかもしれませんが、その行動と自分自身を区別することが大切です。自分自身がひどい人間であるわけではありません。自分が行った行動は、その時の状況や環境によって影響を受けたものであり、自分自身の本質ではありません。
例えば、トラウマによるダメージによって発生するような過覚醒反応による不穏行動を、自分の問題と区別する必要があります。また、トラウマによるダメージによって発生する体が動かず声も出なくなり、抵抗することができない凍りつきは、自分の問題ではありません。
罪悪感を感じているという事実は、自分の良心があなたを導いていることを示しています。この良心を持っていることは、倫理的な価値観を持っていることや、自分自身をより良い人間になるよう努めていることを示しています。
過去に誤ったことをしたのは、トラウマ症状であり、自分自身ではないかもしれません。過去の行動に対して責任を持ちながらも、自己評価を下げることは避け、自分に対して優しく、未来に向けてポジティブに進んでいくことが大切です。また、自分を責めずに、今までのパターンを変えるための具体的な行動計画を立てたり、実際に行動できるようにすることが、自分を成長させることになります。
感情から離れる、執着を手放す
罪悪感が強い人は、過去の出来事について自分自身を責めたり、感情に強く影響されることがあります。このような状況で、感情を一歩引いてみることが有効です。つまり、自分自身を客観的に見つめることで、感情に振り回されず、冷静に物事を判断することができるようになります。
また、罪悪感が強い人は、過去の出来事に執着してしまうことがあります。過去に起こったことを変えることはできないため、その出来事に固執することは無意味であり、前に進むことができません。そのため、執着を手放すことが必要です。
さらに、罪悪感が強い人は、日常のストレスや緊張を軽減し、よりリラックスさせることが必要になります。気持ちが落ち着かないときは、不安や心配事に支配されて、不穏な行動を取ることがあります。自分自身を落ち着かせることで、自己認識を深め、感情や思考をより自然な形で受け入れることができるようになります。
トラウマへのアプローチ
罪悪感を手放す方法として、過去にトラウマとなるような罪悪感を感じた場面を思い起こします。この時、筋肉に力を入れることで身体を固定し、自発的に恐怖のイメージと向き合っていきます。この過程で、自分自身の体が凍りついて動きづらくなる状態にしていきます。そして、感情に圧倒されないようにしながら、自分の身体反応や感覚を意識し、徐々に解放していくことが大切です。
この過程で、身体が震えるような反応を示すことがあります。このような反応は、今まで滞らせていたエネルギーを放出させることになり、全身がすっきりして、心が安定した状態になる効果があります。この結果、罪悪感に飲み込まれていた状態から解放されることができます。
ただし、注意点として、このようなエクササイズを1回だけ行うだけでは、罪悪感を消すことはできません。繰り返し行うことで、少しずつ罪悪感を解放し、消していくことができます。
罪悪感を消す9つの方法
- 自己認識: 自分の感情や考えを理解し、どのような出来事や状況が罪悪感を引き起こしているのかを特定しましょう。また、過去に立ち向かうことにより、何が問題だったのかを明確にすることが重要です。問題を認識することで、解決策を見つけることができます。
- 自己受容: 自分の過去の行動や決断を受け入れ、自分自身を許すことが大切です。過去の自分の行動や選択は、今の自分がいる場所にたどり着くための一部であり、過去の自分と向き合って許し、自分を受け入れることが必要です。
- 謝罪と償い: もし他人に対して罪悪感を持っている場合、その人に謝罪し、可能な限り償いの行動を取りましょう。他人との関係を修復することや謝罪や許しを得ることも大切です。
- 話し合い: 罪悪感を持っていることが、他者との関係を悪化させることがあります。問題を解決するためには、信頼できる友人や家族、カウンセラーなどと話し合って、自分の気持ちや考えを共有しましょう。
- 肯定的な自己認識を練習: 自分自身を肯定することが大切です。自分に対する否定的な考えを肯定的なものに置き換える練習をしましょう。自分の長所や達成したことに焦点を当て、自分の強みを見つけ、それを大切にしましょう。
- 新しい目標を設定すること: 新しい目標を設定することが、罪悪感を手放すためには重要です。 具体的な行動計画を立てて、新しい目標に向かって行動することで、過去の自分を手放すことができます。
- 瞑想やリラクセーション: 瞑想や深呼吸、ヨガ、筋弛緩法などのリラクセーション技法を試してみましょう。これらは心身の緊張を和らげて、落ち着いた状態を保持することにより、罪悪感からの解放を助けます。また、不快な気持ちや感覚を受け入れることで、その気持ちに飲み込まれることを避けることができます。
- 自己慈悲を育てる: 自分に対して優しく、寛容であることを心がけましょう。自分自身に対しても他人に対しても慈悲を持つことが重要です。
- 専門家の助けを利用する: 長期間にわたって罪悪感が解消されない場合や、日常生活に悪影響を与える場合は、心理療法やカウンセリングによって、罪悪感を軽減することができます。
このような罪悪感を感じる人々は、自分自身を許すことや、他人の評価に囚われずに自分自身を大切にすることが必要です。また、感情を表現することや、自己肯定感を高めるために、セラピーなどの専門家の支援を受けることが有効です。さらに、瞑想やリラクセーションをして、自分自身を落ち着かせるためのリラックス法を取り入れることが有効です。
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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2023-03-15
論考 井上陽平
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