ストーカーまがいの行動の心理: 異常な執着、考え方、目的、病的な妄想

心の病気

激しい妄想を持つストーカーは、反対の証拠にもかかわらず、誰かに対する彼らのロマンチックな感情が往復するという強い信念を持っていることがよくあります。これは、職場、学校、コミュニティ、または毎日の通勤中など、さまざまな状況で発生する可能性があります。この記事では、ストーカーになりやすい人の特性、心理、および思考パターンの詳細を載せています。

エロトマニア(妄想性障害)

エロトマニアは、ストーカー加害者によって広く認識されている病的状態であり、別名クレランボー症候群とも呼ばれます。これは、妄想性障害の一種であり、恋愛対象から愛されていないにも関わらず、彼らが相手に恋愛感情を抱いていると妄想する症状をもたらします。ストーカーはこの信念を支える証拠がなくとも、彼らの愛する人が彼らに真剣なロマンチックな感情を抱いていると信じ続けます。

人々がエロトマニアにとりつかれると、彼らは対象者の表情、動作、身振りを誤解し、自分が愛されているとまたは恋愛感情を対象者からもらっていると信じます。しかし、これらは基本的に根拠がない妄想や虚構であり、現実には存在しません。

しかし、その確信は崩れず、アメリカ人精神医学者であるドリーン・オライオンによると、エロトマニアに悩まされた者が求め続けるものは、彼らが理想化し、心から愛する相手との形而上的な一体感であると述べられています。この一体感は肉体的ではなくロマンチックな関係であり、彼らの想像力に支配されています。

ストーカーが妄想していく過程

これらの妄想を育むプロセスは複雑になる可能性があり、特徴として、トラウマや発達障害などの精神症状を示すことがあります。彼らは発達早期にトラウマを経験し、凍りつきから虚脱の間を行き来しているような感じで、神経系の独特の発達と一般的な人とは異なる感性を持っている可能性があります。

人々が妄想を抱くことは複雑な過程ですが、過剰な警戒心や不安な気持ちから生じます。人の目が怖くて、不信感が高まり、身体内部は危険や崩壊に対する不安から凍りつきます。これにより、脳に危険信号が送られ、妄想を抱くことになります。

彼らの見ている世界はどんよりして、薄暗くぼやけて見えて、視野が狭くなっています。目の見え方がおかしく、感覚が狂っており、周囲の状況を正確に見ることができず、自分の進むべき方向性が分からない状態です。このような人々は人目を避けるような生活をしており、自分に光を当ててくれる人に対して好意を抱きますが、自分の感情を正確に認識することができず、相手の気持ちも誤って解釈します。

ストーカーが始まるきっかけ

ストーキングの対象となる人は、自分の好奇心を刺激するような存在であり、相手が自分に近づいてくることや笑顔を見せることに優しさを感じて、日常生活の中で強く相手を意識するようになります。しかし、特に親密な会話もなく、学校や職場、または電車の中ですれ違うだけであっても、相手に関して妄想が引き起こされ、そのうちに大きくなってしまいます。妄想にとらわれ、妄想の中で生きていくようになり、相手の行動や振る舞いなどを繰り返し確認するようになります。

ストーカーの防衛機制

ストーカーは、相手に対する愛情を抱く以上に、相手が自分に対して愛情を抱いているかのように考えます。これは精神分析において「投影同一化」と呼ばれる原始的な防衛機構が作用している結果です。ストーカーは自分が承認したくない感情や欲求を、相手が持っていると信じます。彼らは、自分が好きであるよりも、相手が自分に好意を抱いていると信じ、その期待に応えるために努力します。これに伴い、相手のことを考慮せずに、積極的に近づき、唐突に話かけます。

ストーカーから狙われた人

人がストーカーから狙われた場合、ストーカーが頻繁に視界に現れるようになります。これに伴い、目が合う機会が増えます。目が合ったとき、自分の意図しないところからストーカーに向かって視線が向かってしまうこともあります。そして、意図せずにストーカーを見てしまうようになる場合もあります。

特別な存在になっていく

ストーカーと狙われた人の交流は、日々顔を合わせたり、視線を合わせたり、近づいたりすることが多くなっていく。ストーカーは、相手が自分を見ていると感じると、相手に対して強い望みを抱くように見える。また、視線が合ったり、笑顔を浮かべたり、近づいていたりすると、相手が自分に向き合ってほしいと願っているように見える。一方で、目が合わなかったり、接点がなかったり、遠ざかっていくと、ストーカーは失望し、憂鬱になる。こうして、狙われた人は、ストーカーが自分に恋愛感情を持っていると信じ込み、特別な存在となって一方的な愛を持っていく。

愛の世界が確固たるものに

ストーカーは、一方的な愛の世界を作り上げ、怖いことに完成した妄想は確固たるもになっていきます。職場や学校、通勤ルートなどで、相手の発する声のトーンや行動、笑顔などを、自分といて満足していると解釈することがあります。たとえば、相手と偶然出会っても、目的を持って出会ったと考えます。また、相手が自分の目の前に現れたり同じ行動を取ったりすると、自分を追いかけていると感じ、愛情を抱くことがあります。精神的に二人は繋がっていて、お互いを思い合っていると感じます。

相手の反応で一喜一憂する

ストーカーは相手に近づいて、二人の関係は何もないのに、一方的に連絡先を教えたり、話かけたりするものの、実際には相手が冷たい態度をとったり、返事がないなど、話しかけてみた結果が不安になることもあります。このような場合、再び声をかけるか、かけないかで迷い、相手の表情や行動、振る舞いに敏感に反応します。お互い好意があるのにうまくいかないのは、相手の心に問題があると考え、事実でないことも想像して断片的に繋げていきます。ストーカーは、傷ついた相手を守る自分がヒーローのようなイメージを持ち、そのようなことが起こっているかのように想像します。日常生活の大部分が、相手との関係妄想に費やされます。

相手が拒絶しても

ストーカーは、純粋な気持ちを伝えることで物事はうまくいくと信じており、相手の気持ちを考慮せずにターゲットを追いかけます。ところが、期待していたような結果は得られず、待ち伏せや付きまといが続きます。相手が「もういいですよ」と断わっても、または態度で不快を示しても、ストーカーは本当は気があるのに、そういう素振りを見せないと捉えます。そして、ストーカーは生きづらさを抱えている人だからと感じ、彼女を守ってあげなければならないと思い、以前と同様に親しくすることを心がけています。相手が「もうやめてほしい」とはっきりと拒否する場合でも、「遠慮しないで大丈夫です」と答えます。ストーカーは、相手の言動すべてを、傷ついた人が愛情を表現するものと間違って捉えます。

ストーカーの考え方

ストーカーは、相手が自分から遠ざかろうとすると、僕を不安にさせて、毛嫌いする行動を取って、自分を試していると捉えます。また、相手が避けようとする行動については、第三者が妨害しているように受け止めます。相手が冷淡な態度を取った場合には、相手が自分を嫌がらせをすることで好き避けをしていると考えます。ストーカーは、相手を見捨てたくないと思い、自分がどのようにして相手を助けることができるかを悩み、極端な行動をとってしまうこともあります。一方で、ストーカーは、愛情の見返りを求めているにも関わらず拒絶されたときには、強烈な苦痛を感じ、過度の興奮から激しい反応を示すこともあります。

狂暴化するストーカーの場合は

ストーカーは、相手に対して情熱的に愛情を求めています。自分が尽力したにも関わらず、相手からの見返りが得られないと、強い憤りを感じます。このような反応は、彼らが社会性が育っておらず、自分の行動をコントロールすることができないために起こります。彼らは、相手の批判や拒絶に憤怒し、自身の感情のままに他人を巻き込んでしまい、最終的には自滅に向かって行動する可能性があります。

ストーカーはストーカーしている意識がない

ストーカーと呼ばれる人たちは、自分がストーカーをしている意識がなく、相手の気持ちに応えようとして、親切心で接しています。しかし、ストーカーのターゲットや第三者から見れば、彼らの行動は執拗な付きまといに見えます。ストーカーに、そのことを第三者が指摘すると、善意でやっているのに何がいけないのかと怒ったりします。ストーカーする人は、酷く勘違いをしている人なので、他人から冷たく扱われ、孤独になってしまいます。

妄想が強い人の心理的特徴

①共同身体性に乏しい
②人生に思い悩み、思考する人
③自分に都合のいい解釈をする
④相手の気持ちを考えられない
⑤人間関係があまり得意ではない
⑥周りの様子を伺い、人の視線が怖い
⑦人から拒絶されたり、非難されることが怖い
⑧相手の表情を見抜けずに、話をまったく聞かない
⑨非常に敏感な体質で傷つきやすい
⑩凍りつきや虚脱のトラウマを持つ
⑪自分を否定されると、感情調整がうまくいかない
⑫緊張が強い
⑬論理が破綻している
⑭独特な妄想に耽る
⑮警戒心や猜疑心が強い
⑯目線がキョロキョロする
⑰失感情症や無表情
⑱人目を避けるように生きて、孤独な人

ストーカー行為への対処法

ストーカー行為を受けている場合は、ストーカーとの接触を避け、ストーカーと交戦しないことが重要です。一人では行動せずに、誰かと行動していると、ストーカ―の接近を防ぐことができます。ストーカーが職場や学校にいる状況では、上司や教師に援助を求めることをお勧めします。

ストーカーになった人は、トラウマに焦点を当てたボディセラピーを受ける必要があります。セラピストはストーカーの勘違いを辞めるように説得しようとするかもしれませんが、それは効果的ではありません。セラピストは、ストーカーしている人の惚気話を一喜一憂して話を聞き、身体的および感情的な状態を変更すれば、現実がはっきり見えるようになります。そして、物事を客観的に考えるようになり、毎日の習慣が変わっていけば、自分の変な妄動に気づくようになります。これにより、対象への愛着を減らし、最終的にストーカーしたいという欲求の減少につながります。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2021-04-19
論考 井上陽平

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