アダルトチルドレンの特徴|女性の恋愛や生きづらさ

心の病気

アダルトチルドレンの特徴を持つ女性は、機能不全家庭で育ちます。親に自分の本心を話しても、ますます複雑な状況に陥ってしまうため、自分の本音や気持ちを表現することを辞めてしまうことが多いです。

アダルトチルドレンの女性の特徴

機能不全家庭で育つ子ども

機能不全家庭で育つ子は、親が情緒不安定なため、子どもたちは親の機嫌が良くなるようにアプローチし、安心感を得るために親の要求に応じることが多いという特徴があります。親が暴力的で威圧的な場合は、親に逆らわず、恐怖心を抱えて生きることになります。また、子どもなので親に頼るしかないため、自分を守るためにも親に従わざるを得ない状況に置かれます。さらに、親が不機嫌なときは、その原因を突き止めようとしたり、機嫌を取るために行動の順序を考え、正解を探したりします。

機能不全家庭で育つ子は、家族という関係が崩れた場合、安心して暮らせる場所を失ってしまうため、家族を守るために尽力します。しかし、親の権威によって子供が無視され、虐待されることもあるため、子どもたちは自分自身を守るために、本心を抑えたり、逆らわないようにしてしまいます。このように幼少期に不安定な家庭環境で育ったことが原因で、親に対する恐怖心が増し、親の機嫌を取るために自分自身を犠牲にする傾向があります。

機能不全家庭で育つ子は、理不尽な親の態度に腹を立てたり、悲しい気持ちになったりすることが多くあります。しかし、そのような感情を表出しても問題が解決するわけではなく、むしろ状況を悪化させることを彼女たちは学んでいきます。そのため、自分の気持ちや意見を打ち明けることができず、心の奥底に閉じ込めてしまいます。彼女たちは、自分自身で状況を分析し、問題を解決することを学んでいくのです。彼女たちは自らが納得できるように自分自身で問題を解決しています。

自分の感情や要求を抑える

アダルトチルドレンの女性たちは、親の表情や態度に過剰に反応し、自分自身の感情や要求を抑えて、親のニーズや要求を満たそうと努めていきます。しかし、親の期待に応えられないと申し訳ない気持ちに悩まされることもあります。彼女たちは、理不尽な目に遭いながらも、自分の感情や要求を抑えているため、呼吸をすることさえ苦しく感じることがあります。自分の嫌な感情が漏れ出さないように、周囲に迷惑をかけないように気を配った生活をしています。 

彼女たちは、自分の感情を抑えられなくなり、自分自身が行動をコントロールできなくなることを恐れています。そのため、過度に緊張させ、感情や行動を抑制し、身体に力を入れて自分自身を抑え込みます。しかし、その緊張に耐え切れなくなると、崩壊して、自分が小さく虚しい存在になってしまうことがあります。

自分に自信がなく他人を優先する

アダルトチルドレンの女性は、幼少期に親が不安定だったり、愛情を示さなかったり、虐待を受けたりしたため、自分自身を愛することができず、自分に自信が持てなくなっています。そのため、彼女たちは常に他人に認めてもらうことを求め、自分自身を犠牲にしてまで他人に合わせようとするところがあります。 彼女たちは自分の気持ちを押し殺して、他人を優先しようとするため、自己肯定感が低く、自分を大切にすることができません。また、過去のトラウマや傷を抱えているため、新しい環境や人との接触に対して恐怖心を持ち、心を閉ざしてしまうことがあります。

アダルトチルドレンの女性の恋愛

以下の文章は、アダルトチルドレンの特徴を持つ女性の方々の全ての人に当てはまるわけではないので、その点をご了承ください。

幼少期から親からの愛情不足により、心が満たされることがなかったため、自信がなく不安な気持ちを抱えて過ごしてきた人々が存在します。子どもの頃から親に必要とされたい、認められたい、甘えたい、安心したいという気持ちがあっても、叶うことがなかったため、大人になってもその思いは強く残り、抱き続けています。

成長と共に人間関係は広がり、出会いも増えます。その中で、他者から認められたり優しさや愛情を向けられると嬉しい気持ちになりますが、戸惑いを感じることがあります。今までそのような経験が乏しかったため、受け止め方が分からず、どう反応してよいのか分からなくなり困惑してしまいます。

特に好意を寄せる相手からの気持ちに愛情を感じ取った時には、自分も好きな相手なら飛び上がるほど嬉しい気持ちになりますが、喜びと同時に「いつかこの愛情を失うかもしれない」という不安に襲われ、心の底から喜べなくなります。そして失いたくない気持ちが強くなり、相手の気持ちが離れないことに囚われすぎてしまいます。

「ずっと変わらない愛情を注ぎ続けてほしい」「ずっと愛情に包まれて安心していたい」という憧れに近い思いがあります。これは自分の親にも幼少期に抱いていた思いでもあります。相手が大切な人で失いたくない気持ちが増すほど、相手の負担にならないように嫌われないようにしたり、相手の求めていることに応え続けてきました。しかし、相手の態度が冷たいと、原因は自分にあるんじゃないかと考えてしまいます。そのため、相手に認めてもらい愛情を注いでもらうために、なんでも愛情の意向に合わせて見捨てられることを避けようとします。

相手に合わせることで相手から喜ばれることはありますが、次第に相手の要求が増えたり、内容もエスカレートしていくことがあります。その結果、嫌なことも増え、断ることも怖くなり不安になることもあります。このような関係性が日常的になると、支配する側とされる側の関係性に発展してしまい、お互いに依存していることに気づかなかったり、依存に気づき別れを切り出すと相手の支配欲が増しDVに発展してしまうことも多くあります。

恋愛関係がうまくいかないパターン

幼少期から親が全て自分のことを決めていて、親に逆らうことなく従ってきたため、自分で物事を判断することが苦手になってしまいます。そのため、大人になってからも自信を持って判断することができず、常に不安を感じてしまいます。

そんな中、リードする人や決断力があり、迅速に行動する人には頼りがいを感じてしまいます。しかしながら、相手との親交を深めていくうちに、その人が自己中心的であることに気づいてしまうことがあります。相手の都合ばかりが優先され、自分が振り回されることに疲れを感じたり、違和感を抱いた場合には、相手と別れたいと考えることがあります。

しかし、相手が距離を置くことを拒否したり、自分の態度を改めようとしたり、謝罪してきたりすると、相手が急に小さな態度をとってすがりつくため、このような相手の姿に、自分自身が可哀想なことをしている気持ちになり、罪悪感が生じることがあります。自分自身が愛情不足から、長い時間辛くて寂しい思いをしてきた経験があります。そのため、寂しそうな人を見ると見捨てることができず、気にかけてしまいます。

しかしながら、離れたい気持ちを伝えると、相手が急に豹変して暴力的になったり、威圧的な態度をとったりすることがあります。このような相手を目の前にすると、怖さを感じて身を縮めてしまい、動くことができなくなってしまいます。この怖さは、過去の虐待やいじめの記憶を呼び起こすこともあります。そのため、相手の要求を受け入れて、怖さから逃れようとしてしまうことがあります。

また、誰かに助けを求めるという考えも浮かびますが、自分が助けを求めた場合には、相手を罪人にしてしまうかもしれないという不安や罪悪感から、胸が苦しくなるほど悩むことがあります。そして、暴力的な人は陰湿な追求をしてくる人(ストーカー)もいて、後から逆襲される危険性があるため、誰かに助けを求めることを諦めてしまうこともあります。

親しくなりたい人への不信感

親しくなりたい人が現れると、より親密になりたいという気持ちが生まれ、距離を縮めたくなります。しかし、このような関係性を築くと、関係が長続きするかどうか不安になることがあります。嬉しい反面、不安も同時に抱えることになります。

幼少期から、親の機嫌次第で態度が変わることを経験してきたため、人を信用することに慎重になってしまいます。何度も信じた人に裏切られた経験から、どんなに親しい関係になっても、人を信用することができなくなっています。自分自身を守るために、相手に心を開かずに距離を置くことが自然になっています。

しかしながら、矛盾しているものの、相手を信じたい気持ちもあります。心を開いてみたいとも考えています。そのため、遠回しに相手の気持ちを探ったり、鎌をかけたり、駆け引きしたりしながら、相手が自分に好意を抱いているという確証を得たくなることがあります。

相手に対する不安からくる行為が度を越してしまうと、相手は自分を信用していないと感じ、不快感を抱くために、関係がギクシャクすることもあります。相手を信じたいと思いながらも、信じきれない自分に嫌気がさし、焦ったり悲しくなることがあります。

そんな中でも、変わらずに優しく接してくれて、常に安心を与えてくれる愛情深い人を求め続けています。このように求める背景には、親に求める安全基地のような存在を強く求める気持ちがあるかもしれません。

甘え方、頼り方が分からず立場が逆転する

子ども時代に甘えられなかった経験から、大人になっても心が満たされず、不安でいっぱいで、常に安心したいと願いながら過ごしてきました。本心は甘えたいと思いながらも、甘えることを許されなかったため、人への甘え方や頼り方、助けの求め方などが分かりませんでした。自分でやらなければいけなかったことが多く、逆らうことも許されなかったため、自分に厳しくなってしまいます。そんな彼女はしっかり者として育ち、他人からは頼られやすく、他人を支える側の立ち位置でいることが多くなります。

出会った頃は、相手から「頼りにしていいよ」「守るからね」「甘えていいよ」と言われることがありますが、親しくなればなるほど相手から「しっかりしているね」「頼もしいね」「頼りになるね」と言われるようになり、いつの間にか相手と自分の立場が逆転的な関係になってしまいます。

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トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2023-03-09
論考 井上陽平

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