イメージ療法のやり方と効果|自由連想法とは?

イメージ療法や自由連想法は、自己探求の手段として利用されます。イメージ療法は、自分自身が思い描くイメージを利用して、気持ちや行動を変える方法です。例えば、心の中で自分が夢中になっている風景を想像することで、その気持ちを引き出すことができます。自由連想法は、頭の中に思い浮かんでくることを自由にお話して、無意識に出てくるイメージや感情に注目する方法です。自分の内面に隠れた感情や思考を見つけ出し、はっきりとした意識の上で自覚し、自分自身を発見することができます。また、自由連想法を利用して、自分自身の物語を書き換えることができます。例えば、苦しい出来事を別の視点から見て、物語を変えることで、辛い気持ちから解放されることができます。イメージ療法や自由連想法を利用することで、自分自身の内面に向き合い、自己探求を行い、新しい気持ちや行動のパターンを見出すことができます。

イメージ療法、自由連想法とは

イメージ療法は、複雑なトラウマを持つ人や解離性障害の方にとって、効果的な治療法の一つとして注目されています。解離性障害の方は、心と身体が分離しているため、身体内部を探索することで心身の統合を促すことができます。また、身体を見ることに抵抗がある人もいますが、イメージ療法によって、身体内部に向き合い、自分自身の内面を探索することで、自己認識や自己受容の向上につながることもあります。

イメージ療法では、頭の中に浮かんでくるイメージや空想、思考を用いて、身体内部や精神内界を探索します。特に解離性障害の方にとっては、身体内部を旅することが、自己とのつながりを深めることにつながります。イメージ療法によって、複雑なトラウマを持つ人や解離性障害の方が、自己との統合を促すことができ、心身の健康につながることが期待されます。

自由連想法は、患者が安心して自由に思考を放つことができる環境を整え、その思考をセラピストが受け止め、解釈することで、患者が無意識に抱えている問題や心の深層部分を探り出すことができます。セラピストが患者の言葉を受け止め、適切な反応を示すことで、患者が自己の内面を客観的に捉え、気づきや気持ちの整理を行うことができます。また、自由連想法は、セラピーの過程での自己開示に役立つこともあります。セラピストが適切に誘導することで、患者は自分自身に気づき、自分自身を理解することができ、自分の内面を受け入れることができるようになります。

アクティブにイメージすると

複雑なトラウマを抱える人が、ユング派のアクティブイマジネーションを使って自己表現を行う際には、最初は恐怖心に支配されて動揺するかもしれません。しかし、自己表現を続けていくと、様々なイメージや空想が浮かび上がってくることで、心の奥深くに眠っていたものが解き放たれることがあります。

例えば、暗闇の中から木々、草花が咲いている美しい場所に出てきたり、噴水や公園、建物がある場所にたどり着いたりします。イメージや空想の世界では、災難に巻き込まれたり、行く手が遮られたりすることもありますが、自分自身の力や、動物や超自然的な存在の助けを得て、それらの難題を乗り越えます。イメージや空想を通じて、遊び心が育まれると、トラウマの脅威に対する見方も変化します。

このような自己表現を通して、トラウマによって失われた自己の力を取り戻すことができます。イメージや空想は、トラウマの世界から自分自身を解放する手段としても機能します。そして、イメージや空想が拓く新しい世界で、トラウマの恐怖や不安に打ち勝ち、より充実した生活を送ることができるようになります。

イメージ療法の具体例

イメージ療法では、まずセラピストはクライエントを落ち着かせるために、深呼吸やリラクゼーションの方法を教えます。次に、クライエントに目を閉じ、深呼吸をしながら、心の中に静かな場所を想像するよう促します。そこで、クライエントは自分自身をイメージし、イメージの世界を探索し始めます。セラピストは、クライエントのイメージを誘導しながら、いくつかの質問をします。例えば、「そのイメージの中で何が見えますか?」、「何を感じますか?」、「何を聞こえますか?」などです。クライエントは、自分自身を通して、豊かな感情を体験します。セラピストは、クライエントの体験を尊重し、その体験を基に、より深い理解を促します。イメージ療法では、クライエントが自分自身をイメージすることが大切であり、セラピストはそのプロセスを導く役割を担っています。

地下に下りていくイメージ①

地下へ下りていく長い階段が続いています
階段は石でできていますが
それはしっかりしたものではなく
階段の幅も狭く
真っ暗な中
手探りの状態で歩いて
かなり長い時間をかけて下りていきます
階段を下りたところは…

地下に下りていくイメージ②

その夜、暗闇に包まれた部屋で
ふと、目が覚めると
物悲しい泣き声が微かに聞こえたから
そっと、ベッドから抜け出し
暗い地下室に下りていく
たどり着いた部屋の
ドアの隙間から灯りがもれ
そっと覗くと…

死と再生の儀式

(前半)
手術台の上で仰向けになっている。
黒い服を着た人が自分を囲むように立っている。
顔を覗いてみると、悪魔や怪物のようだ…

(後半)
黒い服が一斉に白い服に変わる。
光の人が自分を囲んでいる。
光の息子(光の娘)が自分に問いかけてくる。

上から見下ろしているイメージ

上空から自分を見下ろしている。
懸命に何かをしているもう一人の自分がいて、
その自分と周りがどう動き出すか…

映写機

自分は映画館の客席にいて
真っ白なスクリーンを目の前にしている
映写機が回り始めると、どんな場面が出てくるか…

大きなキャンパスが置いてある。
絵はほとんど出来上がっている。
私は最後の仕上げをしている。
物思いに耽って
その絵を見ていくと…

ミラクルクエスチョン

奇跡が起きて
全ての問題が解決されていた。
望ましい自分の姿をイメージしていくと…

トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2021-06-01
論考 井上陽平

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