カウンセリング

カウンセリングについてご存じない方も多いと思われますので、トラウマケア専門こころのえ相談室にて行っているカウンセリングについて説明します。

カウンセリング

カウンセリングとは

カウンセリングとは、相談するという意味であり、依頼者の抱える個人の心理的問題、悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談業務のことです。通常は、心理相談室で心理学的立場からの専門家と定期的に相談することを言い、カウンセリングを行う者をカウンセラー、カウンセリングを受ける者をクライエントと呼びます。カウンセリングは、心理療法や精神療法と呼ばれることもあります。

ロジャースの来談者中心療法

カウンセリングには、様々な方法があります。カウンセリングの基礎理論としては、人間性心理学を創始したカール・ロジャーズの来談者中心療法で説明されることが多いです。その中のカウンセラーの傾聴の3条件、「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」「自己一致」が有名です。

ロジャースは、人間に対して楽観的な見方をしています。人間には有機体として自己実現する力が自然に備わっている。有機体としての成長と可能性の実現を行うのは、人間そのものの性質であり、本能である。カウンセリングの使命は、この成長と可能性の実現を促す環境をつくることにあると述べています。

ロジャースは、自己成長をジャガイモの芽に喩えています。ロジャースは、子どもの頃、冬の食糧を貯蔵するための暗い地下室に置いてあったジャガイモから、窓からもれる薄日に向かって伸びる芽に強い印象を受けました。「…異常で歪み、とても困難な状況にあろうとも、その基本的志向性を信頼することはできます。それは、たとえ十分な太陽や水がなくとも、誰に教わることなく、暗闇の中からでも光を探し、芽を上に出し成長をする力があります。それは、生命が自己を実現しようとする試みであり、成長と適応に向かいもがいている姿であり、成熟も開花もしないのかもしれない、けれども、あきらめることができないのだ。」と述べています。

カウンセラーの役目

一般に、心理相談室で行われるカウンセリングではカウンセラーからの具体的なアドバイスによって目の前の現実の問題を直接的に解決していくものではありません。カウンセラーは問題や症状のメカニズムを明らかにして、見立てを持ってカウンセリングを行いますが、問題解決のための正解とか答えを持っているわけではありません。明らかにした問題や症状に立ち向かうのはその人本人であり、カウンセラーは、解決する方法を一緒に考えるお手伝いをさせてもらいます。

カウンセリングを受けに来られる半分くらいの方は、カウンセラーに問題解決の方法や正しい答えを聞きたいとご相談に来られます。ただ、カウンセリングというのは、正解や答えを見つける場所というよりも、自分の欲求や感情に気づいて、意識化し、自分の本音や本当の感情を表現できるようにする場所です。そして、本来の自分を取り戻し、誰かといて幸せを感じられる自分を目指します。

ロジャースの教えでは、自分自身を受容したとき、人間には変化と成長が起きます。カウンセラーは、クライエントを無条件に受容し、尊重することによって、クライエントが自分自身を受容し、尊重することを促すのであるとされます。カウンセラーは、しっかり傾聴することが基本になります。

カウンセリングの効果

カウンセリングでは、自分の思っていることを何でも遠慮せずに話すことで、心身への効果も期待できます。また、カウンセラーが質問したことを、クライエントは答えていくことになるので、カウンセリングを通して、細かく自分の経験が言えるようになります。そして、今ここでの体験していることが新しい体験と結びき、古い行動パターンから新しい行動パターンに変化します。

カウンセリングの回数・期間

カウンセリングは、同じカウンセラーによって週1回以上(時間や金銭的に余裕のない方は、2週間に1回)行われます。1回の面接時間は90分(前半は対話、後半は瞑想)で、毎週同じ時間に同じカウンセリングルームで行います。カウンセリングを行う空間は、隠された領域への旅を可能にして、地中深くに埋もれた真実を探求する場になります。費用は自費で健康保険を用いることはできません。カウンセリングの期間はケースバイケースですが、通常一年以上はかかるのが普通です。カウンセリングを継続することにより、初めて自分と向き合うことが可能になり、客観的に自分を知る場所として機能し、人生をより良く生きれる土台になるでしょう。

初回のカウンセリングでは

初回のカウンセリングでは、カウンセラーから質問したり、自由にお話しをしてもらいます。カウンセラーが知りたいことを挙げていくと、家族構成、父親、母親、兄弟、親にされてきたこと、小学校、中学校、高校の学校生活、子どもの頃の私、理想化された私、攻撃的な私、心の中の私、好きなもの、嫌なもの、一日の過ごし方、社会生活、人間関係、ストレス、今困っていること、日常の楽しみ、精神科、病院歴、一番初めの記憶、夢の記憶、体の状態、心の様子、良くなりたいところ、治療目標などです。

2回目のカウンセリングでは

生きづらくなっている人というのは、自分の思い込みが強すぎて、自分で自分を縛っています。親の価値観とか世の中の常識とか、正しいこととか、こうあるべきとかという規範に縛られています。しかし、そういうもの全ては、世の中の金持ちや権力者が作っているに過ぎないから、絶対的な価値観や正義などは存在しません。カウンセリングでは、自分自身に向き合って、納得できる答えを見つけ出して、自由に生きれるお手伝いをします。

トラウマケア専門こころのえ相談室
公開 2021-01-28
論考 井上陽平

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