inoue youhei

トラウマ・CPTSD・解離

発達性トラウマ障害はなぜ「発達障害に似る」のか|注意散漫・多動・過敏の正体

発達性トラウマ障害を抱える人は、しばしば「発達障害に似ている」と言われます。注意が散りやすい。多動的に見える。刺激に過敏、あるいは極端に鈍い。しかし臨床的に見ると、その中核は神経発達の欠陥というよりも、安全な他者の不在の中で組織化された神経...
愛着・対人関係・人格の問題

安心できない人の心理と身体|落ち着くほど苦しくなる理由と回復の道

安心できない人は、安心という状態に入った瞬間、身体と心が「危険」として反応してしまう人です。外から見ると、ただ警戒心が強い。疑い深い。人を信じられない。そう見えるかもしれません。けれど臨床の現場で起きているのは、もっと根の深いことです。それ...
精神分析理論

無意識とは何か──フロイトから「関係」と「身体」へ

無意識という概念を最初に理論化したのは、ジークムント・フロイトである。彼にとって無意識とは、抑圧された欲望や葛藤の貯蔵庫だった。耐えがたい衝動や記憶は意識から排除され、夢や症状として回帰する。神経症は、その抑圧の産物である。だが、その後の臨...
複雑性PTSD

複雑性PTSDの凍結とは何か──社交性の裏で起きている「関係内フリーズ」

複雑性PTSDの人は、外から見ると社交的で、よく笑い、場の空気を読み、人と自然に関わっているように見えることがある。だがその明るさは、安全の証明ではない。それは多くの場合、幼少期から「関係の中で生き延びる」ために磨かれた高度な適応である。以...
心理技法・治療法

身体が止めに来るときートラウマ・解離・パニックは神経系の緊急ブレーキ

人は本来、「十分に抱えられる環境」の中でだけ、自然に力を抜いて存在できる。抱えられるとは、甘やかされることではない。ふらついたときに支えがあり、揺れたときに戻れる場所があり、感情が出ても世界が崩れないことだ。けれど、幼いころから「迷惑をかけ...
愛着スタイル

“ただ生きてきただけ”なのに苦しい人へ――関係的トラウマの構造

心が痛むとき、人はそれを「寂しさ」や「孤独」と呼びがちだ。けれど臨床で出会う痛みは、それだけでは終わらない。胸の切なさは、単なる気分ではなく、関係の歴史がつくった構造として現れることが多い。幼少期に、感情の出口を見失う家庭で育つと、子どもは...
トラウマ反応・身体症状

人に見せられなかった悲しみは、身体の奥で生きている

深い悲しみや苦しみに囚われている人々は、周囲に弱さを見せることができません。それは「性格が強いから」でも、「甘えないから」でもない。弱さを見せた瞬間に何かが起きる。そう体が覚えてしまった人です。彼らは常に周りの人々の期待に応え、要求に対応す...
トラウマ・CPTSD・解離

内なる悪魔はどこから来て、何を守っているのか――「救われてはいけない」という防衛システム

自分の中にいる「悪魔」のような存在。それは突然生まれたものではありません。それは、性暴力・支配・人格侵害といった“逃げ場のない被害”が、終わらないまま続いたとき、生き延びるために形成された、極端に硬化した内的防衛です。この存在は、次のような...
トラウマ反応・身体症状

電車・人混み・大きな音・親の話で固まる理由|身体はまだ危険を読んでいる

あなたの身体は、危険が去ったあとも、世界を「まだ危ない場所」として読み続けることがある。本人は「もう大丈夫なはず」と分かっている。けれど、胸が詰まる。肩が固まる。考えが止まる。眠れない。疲れが抜けない。このズレは、意思の弱さでも、気合い不足...
親子関係・毒親

家族の闇を背負った子ども──凍結・過覚醒・そして回復の神経

機能不全家族では、親が自分の感情を自分の内側で抱きとめきれない。怒り、恥、劣等感、孤独、無力感が体内で消化されず、家庭という空間にそのまま放たれる。感情は宙に浮き、家族全体の空気を重くする。このとき家族システムは、意識的ではないが極めて巧妙...